『インハンド』山下智久、1番かっこいいパターンのギャップでキャラ確立に一歩前進 濱田岳の卓越したコミカル演技が冴える
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山Pのかっこいい“ギャップ”
しかし結局、渉はテレビのニュースを通じて事実を知ってしまい、罪の意識に苛まれて病院から逃走。捜索にあたった牧野と高家は、渉が紐倉の研究所にいることを突き止めます。
2人が研究所に到着すると、マスコミから“生物兵器”呼ばわりされたことを嘆き悲しむ渉は、再び逃げ出そうとしてしまいます。そんな渉に対し、紐倉が訥々と語り始めたのは、右手を失った経緯。飼い犬が傷口を舐めたことで細菌が感染し、切断するハメになってしまったものの、悪いのは病原体であると話し、ハートランドウィルスの抗体をつくる手掛かりが秘められた渉は今後、人類の救世主になりうるのだから、「生きてくれ」と説得するのでした。
実は右手を失った経緯は渉のためについたウソだったのですが、紐倉にも優しい心があることを知った高家は、再び助手として働くことを決意。研究所を訪れたところ、義手を外して汗まみれになりながら苦しむ紐倉の姿を発見し呆然……というところで今回は終了となりました。
前回同様、山下のセリフは聴き取りづらい部分があったのですが、冷淡かと思いきや実は誰よりも相手のことを深く考えている、“悪者、実は良い人”という1番かっこいいパターンのギャップを見せ、キャラ確立に一歩前進した印象でした。美しい顔立ち、渉を説得した時の優しい眼差しで、多くの女性視聴者のハートを撃ち抜いたことでしょう。渉がはしゃいでいたように、ロボット風の義手がヒーロー的な見方をされれば、子どもからの人気もゲットとなるかもしれません。
その山下に代名詞のドSキャラを奪われ、前回はなんとも中途半端な立ち位置に感じられた菜々緒ですが、今回は保守的な上司のケツを叩き、正義のために奔走して存在感を発揮。見た目はクールながら中身は熱血、という新たなキャラを徐々に作り上げている感じがしました。
ただ、この2人が活きるのは、卓越した演技力をもつ濱田の存在があってこそ。コミカルな演技はもちろんのこと、渉に対して隔離の説明をするかしないかで紐倉と揉めた時の感情的な演技は秀逸でした。この場面では、紐倉の冷たい発言の裏に何か意図するところがあるのだろうと予想しつつも、視聴者の感情は高家の方へと揺れたことでしょう。渉に真実を教えないことが優しさなのだと。そんな高家の存在によって、紐倉のギャップの振れ幅が何倍にも大きくなる効果が生まれたのだと思います。
3人が絡むシーンが多くなったことで、前回よりも確実に見応えがアップしました。今後、隠蔽体質の厚労省にどす黒いキャラが登場することで、牧野との敵対関係が生まれ、さらに紐倉と高家が巻き込まれてと、面白い展開になっていくのではないかという予感も。人気シリーズになることを期待しつつ、次回を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)
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