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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 浜崎あゆみが歌姫になった理由
平成J-POPプレイバック!

平成という時代が生んだ歌姫・浜崎あゆみ

宇多田ヒカルと一騎打ち

 わけても01年、アルバムのリリース日をメーカー側によってあえてぶつけられた宇多田ヒカルとの一騎打ちは語り草になっている。これによって浜崎と宇多田の比較論のような見方はよりいっそう強くなった。

 ただ、そうした前段があっただけに、数年前に宇多田ヒカルのトリビュート盤で「Movin’ on without you」を唄ったことは大きな話題になった。この歌に心を動かされたファンは多かっただろう。それはもしかしたら、宇多田のほうのファンにも。

 それから04年には、エイベックスのお家騒動があり、そこでの浜崎のリアクションも大きな注目を浴びた。これによって同社の株価が激しく動いたことも、当時の彼女の影響力を物語っている。

 ただ、一時そんなにまで存在が大きくなり、時代の先頭を走った浜崎は、このところは巨大な波を起こすことがない。近年の彼女は、芸能ゴシップや、それに主にネット界隈で、むしろ批判を浴びることで矢面に立たされがちである。

 だいたいが、ちょっと何かをしたとか、人前に出た程度でニュースになる存在の人である。そこにネガティヴな見方が入った際のバッシングは本当に激しい(それは「とりあえず何か叩ければいい」というようなスタンスの報道が多い)。

 あのバッシングの激しさ、悪趣味さは、人気の反動という言い方で済まされないほどだ。その背景についても考えてみたが……浜崎が、若い女性の文化や風俗に深くコネクトしていたことも、ある層からは快く思われていない節を感じる。そう、いまだに、だ。

 ただ、それは彼女が一時代を築いたことの(マイナスの側面ではあるが)証明であるのは間違いない。そして、時代を代表する歌姫のひとりだったという事実もまた、間違いない。

 平成という時代をタイムカプセルに詰め込むとしたら、その中に浜崎あゆみのCDは、絶対に入れておかなければならない。

 彼女の歌は、それぐらいの、破格のものだった。

●あおき・ゆう。
1966年、島根県生まれ。男。
94年、持ち込みをきっかけに音楽ジャーナリスト/ ライター業を開始。
洋邦のロック/ポップスを中心に執筆。
現在は雑誌『音楽と人』『テレビブロス』『コンフィデンス』『 ビートルズ・ストーリー』『昭和40年男』、
音楽情報サイト「リアルサウンド」「DI:GA online」等に寄稿。
阪神タイガース、ゲッターロボ、白バラコーヒー、ロミーナ、 出前一丁を愛し続ける。
妻子あり。
Twitterアカウントは、@you_aoki
 

最終更新:2019/05/07 10:21
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