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EU離脱の影響がここにも……? 英名門大学が中国人学生の獲得に躍起なワケ

ケンブリッジ大学は中国人にとって観光地となっており、校内は中国人だらけとなっている(雪花新聞より)

 離脱交渉や英国議会での合意がまとまらないことから、10月末まで延期されることとなったブレグジット(イギリスのEU離脱)だが、教育機関はすでに「離脱後」に向けての動きを加速させている。

「新浪新聞」(4月12日付)によると、名門ケンブリッジ大学が今後、中国の大学入学試験「高考(ガオカオ)」の結果を踏まえた入学者選抜を行うことを表明した。同大学の公式サイトによると、「受験資格があるのは高考受験者のうち、各省の成績上位者0.1%に限る。また英語試験IELTSで7.0以上を獲得する必要がある」と、その条件は生易しいものではないが、「高考の受験者数が毎年1000万人近くいることを考えれば、毎年1万人の中国人にケンブリッジ大学受験のチャンスが与えられることになる」と伝えている。

 中国人学生の獲得に躍起になっているのは、ケンブリッジ大学だけではない。ノーベル賞受賞者を数多く輩出しているブリストル大学や、ロンドン大学、エセックス大学、サセックス大学などをはじめとする英国内の複数の大学では、中国人学生のために中国国内で卒業式を行うとしている。また、中国国内ではイギリスの大学の分校が次々と開校されている。

 中国人学生にすり寄るかのような英大学の方針について、中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏はこう話す。

「イギリスの大学はこれまでEU諸国から多くの学生を受け入れ、それに応じてEUから巨額の助成金も得ていた。しかし、離脱となれば、もはや助成金は当てにできない。そこで、留学熱が高く、教育費を惜しまない中国人に接近し始めているんです。富豪一家の子息を学生として獲得できれば、授業料以外に寄付金を得ることも期待できる。ちなみに、2014年ごろには温家宝の娘が牛耳っているChong Hua財団が、5億円以上をケンブリッジ大学に寄付していたことも明らかになっています」

 そんななか、危惧されるのが教育の独立性だ。17年には、ケンブリッジ大出版局がサイトに掲載した中国関連の論文について、中国側からの要請に従ってアクセスを一時的に遮断していたことも明らかになった。

 国際エリートを多数輩出してきた英名門大学だが、EU離脱の混乱に乗じ、中国に乗っ取られる?

(文=青山大樹)

最終更新:2019/04/17 18:00
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