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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > くまだまさし、テレビを断る理由

“吉本No.1営業芸人”くまだまさしを直撃! 芸人の世界で起こりつつある「さよならテレビ」現象とは?

「とにかく売れたい」から「家族を食わせたい」へ

これまでの営業でウケなかったのは3回だけ!

――私は世代的にはテレビがすべて、テレビが世界の中心だと思って生きてきて、でもだんだんだんだん変わってきてるなって思うんです。若い世代はそれこそ、YouTubeしか見ないとか。

くまだ 確かにそうでございますよね。ただ、テレビの人も、それは絶対感じてると思うんですよ。だから、これからテレビの逆襲が始まるんじゃないのかなって。もちろん芸人の間でも「でも、テレビだ」と。やっぱりまだテレビに出たいっていうのはあると思います。ただ、ごめんなさい。私は、そういうのがまったくなく……すみません。

――くまださんにとって、テレビはもう、魅力的なメディアではないということですか?

くまだ 志が低いのかもしれませんけれど「とにかく売れたい」「億が欲しい」よりも、目標は「食わせたい」だから。それが今のところクリアしてますってなったら、次はその維持ですよね、目指すのは。

――でも、それが可能なのも、やっぱりくまださんだからでは?

くまだ ちょ、ちょっと待ってください、くまださんじゃないです。

――え!?

くまだ 「くまだ大先生」です! 大先生でございますよ、私は!!

――し、失礼しました! くまだ大先生!!

くまだ (笑)。ちょっと話戻しますけれども、何もテレビを全部断るわけではないんです。この前ね、CSのボウリング番組に出たんですよ。最初はお断りしようと思ってたんですけど、その番組のプロデューサーさんが、お世話になった『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)をやられていた方で。仕事の内容より「この人だから出る」って、「人」で決めてしまっている部分もあるかもしれないです。『相席食堂』も、正直言うと、初めは断ったんです。ロケは拘束時間が長い、絶対に疲れる。次の日の営業や舞台に支障が出る……って。でも、千鳥先生の番組だと。前にノブくんのインスタに載っけてもらったことがあって、これはお礼をしなければいけないって、ずっと思ってました。

――テレビも「自分たちのところに一番出たいでしょ?」みたいなスタンスではいられなくなってるということですね、くまださん……間違いました。くまだ大先生タイプが増えている。

くまだ 頼みますよ、サイゾー先生!! もちろんおごることなく、お断りするのも誠心誠意の気持ちです。テレビに憧れて今があるのは本当ですし、初心忘るべからずです。

――その感覚は、やはり営業で培われたものですか?

くまだ やっぱりそうだと思います。すべて営業だと思います。そうだ、吉本に6,000人いるタレントさんの中で、僕だけが唯一やってることがあるんですよ。

――なんでしょうか?

くまだ 営業が終わったら、私を呼んでくださった社員さんにお礼のメールをすることです。

――ああ……デキるビジネスマン……。

くまだ これをもうこの十何年、ずっと続けてるんです。いやらしい言い方ですけど、お礼されたら「あ、また入れよう」ってなってくれるんじゃないかって。

――芸人さん自らがそれをするっていう。

くまだ 向こう様は「わざわざご本人様から、ご丁寧なメールありがとうございます」って感激してくれるんです。それって、逆に言えば、そういうことをやる芸人がいないからではないでしょうか。

――はぁぁ……そもそも面白い人にそれやられたら、もう勝ち目はない……。

くまだ 先生! 本当ごめんなさい、また格好いいこと言っていいですか? 120点の仕事をしていれば、絶対に仕事は減ることがないと僕は思ってます。僕の仕事としては、ウケるっていうのは、ある意味、当たり前。その合格ラインが80点。それ以外のことで、100点、120点にしていくんです。相手の人を先生と呼んだり。

――あ、サイゾー先生というのも!!

くまだ フフフ。

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