中国一の桜の名所で警備員が花見客を暴行! 理由は和装だったから!?
#中国
日本から輸入される形で花見の習慣が根付きつつある中国では、見頃を迎えた各地の桜の名所に多くの人が訪れている。そんな中、花見客が突然、巡回中の警備員に拘束・暴行されるという事件が発生した。
「網易新聞」(3月25日付)によると24日、中国有数の花見スポットとして知られる武漢大学で事件は起こった。この日、男子学生2人が、花見をするため校内に入ったところ、突然、警備員に呼び止められた。4人の警備員が彼らを取り囲み、「和装でキャンパスに入ることは認められない」と、立ち入りを拒否。
学生たちは「自分たちが着用しているのは唐装(唐時代の正装)であって、和装ではない」と反論するも、警備員たちは彼らが身動き取れないよう地面に押し倒したり、首を絞めたりといった暴行を働いたという。結果的に彼らが和装だったのか唐装だったのかはわかっていないが、公安当局によると、武漢大学では2002年、「花見の期間中、キャンパスで和装で写真撮影を行うことを禁止する」「キャンパス内での和装のレンタル業の運営を禁止する」という学則を定めており、彼らの服装が不適切であったとしている。
中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏によると、大学側が和装に対し敏感になる背景には、かつて武漢が日本に占領されていた時代、特に武漢大学は日本軍の基地として利用されていた過去があるため、愛国意識からこうした学則が定められたのではないかという。時代錯誤ともいえる学則だが、中国のネットユーザーからは矛盾点も指摘されている。
武漢大学の桜の多くは、武漢を占領していた時代に日本軍が植樹したもので、1,000本以上の桜が植えられている。さらに戦後、日本政府は日中友好の証しとして、武漢大学に50本以上の桜の木を贈っている。そもそも武漢大学の桜自体が日本由来のものなのに、和装での花見を禁止する大学側の主張に、疑問を呈する声が相次いでいるのだ。
一方、日本では和装レンタル店に多くの中国人観光客が来店し、着物を楽しむ姿が見受けられる。時代に逆行する学則は、そろそろ見直されるべきだろう。
(文=青山大樹)
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