広瀬すず『なつぞら』にかかる異様なプレッシャー 松嶋菜々子からも「台本読んできてね」とダメ出し
4月1日より、NHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』の放送が始まる。記念すべき100回目の朝ドラで主演を務めるのは広瀬すずだ。
『なつぞら』は、戦争孤児として北海道の養父母のもとで生まれ育った奥原なつ(広瀬すず)が、東京でアニメーターの夢を叶えるべく奮闘する姿を描くドラマである。
広瀬すずは『なつぞら』主演に際し、姉の広瀬アリス(2017年下半期の朝ドラ『わろてんか』に出演)から脅しの混じった激励の言葉をもらっていたようだ。「女性自身」(光文社)2019年4月9日号のインタビューでは、<あまり仕事の話はしない姉から、『朝ドラのヒロインは大変。ヒロインじゃなかった私でも大変だった』と、今回だけはメールが来て(笑)。だから覚悟はしていました>なんてことも話していた。
実際、大変なことは少なからずあったのかもしれない。
2018年8月には、「女性自身」のニュースサイトで、松嶋菜々子が広瀬に対して<ちゃんと台本読んできてね>と声をかけたとの報道が出たこともある。
記事によれば、なつの育ての母である柴田富士子を演じる松嶋菜々子が『なつぞら』出演者の初顔合わせのときに広瀬に対し<ちゃんと台本読んできてね>という“ダメ出し”をし、周囲のスタッフも含めその場の空気が凍り付いたという。
松嶋は1996年上半期の朝ドラ『ひまわり』のヒロインを務め、そこで女優としてのブレイクのきっかけを掴んでいる。それだけに朝ドラヒロインの厳しさを教えたかったからこその、キツい言葉だったのかもしれない。
1回台本を読めばセリフを覚えることができる広瀬すず
ただ、これは「余計なお世話」だった可能性も高い。
というのも、広瀬は一度読んだ台本はすぐに覚えられるタイプで、そのため台本にメモを書き込むこともないからだ。
2017年3月11日放送『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)では、2016年公開の映画『怒り』の撮影時も現場で台本を開いたことは一度たりともなかったと証言している。
しかし、そうした誤解は撮影を通じて解消されていったようだ。2019年3月6日に開かれた第1週完成試写会で松嶋は広瀬の演技について<安定感が半端じゃないです>と絶賛。また、問題のセリフ覚えに関してはこんな発言をしている。
<私は覚えることに精一杯でまったく寝れない感じだったので『大丈夫?』って聞くと『意外と大丈夫』って。じゃあ大丈夫だわ!って。安定感が半端なく、セリフ覚えも早くて、頼もしい限りです>
広瀬すず「朝ドラは女優にとって特別な作品」
広瀬にとって朝ドラヒロインは、ひとつの目標でもあったようだ。エッセイ集『負けずぎらい。』(日経BP社)のなかで彼女は、<2年くらい前に、マネージャーさんから「朝ドラをやりたいと思ったことはある?」と聞かれたことがあるんです。そのときは、いつかは挑戦してみたいけど今はまだ無理だと思う、と答えました。朝ドラはどの女優さんにとっても、さらに高いところに羽ばたくための特別な作品になっている印象があります>と語っている。
『なつぞら』は<さらに高いところに羽ばたくための特別な作品>となるだろうか。
「週刊文春」(文藝春秋)2019年3月28日で彼女は、<視聴者の方にとって私はフレッシュな新人、というわけではないのかもしれません、だからこそ頑張らなきゃなって。私の前にいる九十九人のヒロインには、負けたくないと思っています>とも意気込みを語っている。
広瀬の言う通り、朝ドラは新人女優の登竜門としての認識も根強い。そのなかにあって、日本アカデミー賞、ヨコハマ映画祭、キネマ旬報ベスト・テンなど、日本映画界の重要な賞を多く受賞してきた彼女が朝ドラヒロインを演じるということは、それはそれでプレッシャーがあるだろう。
しかも、朝ドラや大河ドラマといったメジャーな番組は、NHKにも関わらず「視聴率」が芸能ニュースのネタにされることが多い。広瀬といえば、2018年のドラマ『anone』(日本テレビ系)が不調で、平均視聴率が4.9%(第7話、ビデオリサーチ調べ)と、4%台を記録するほどだった。ドラマの低視聴率は脚本や演出など製作サイドの責任も大きく、必ずしも主演の俳優や女優だけに理由があるわけではないが、それでも結局は主演のせいにされてしまうことが多い。『anone』の視聴率に関しても、メディアでは「広瀬すずは低視聴率女優」「広瀬すずはオワコン」といった切り口でネタとして消費されていった。
『なつぞら』に関しても色々と理不尽な報道があるだろうが、そんな外野の声は撥ね除けて良い作品をつくってほしい。
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