『SPEC』史上“破格のヤバい女”を熱演! 美人なのに華がない木村文乃が、堤幸彦作品で大化け?
#木村文乃 #女優の花道
Paravi(パラビ)で配信されている『SICK’S~内閣情報調査室特務事項専従係事件簿~』は、SPECホルダーと呼ばれる超能力者との戦いを描いたSFテイストのドラマである。
舞台は、トクムと呼ばれる組織。係長の野々村光次郎(竜雷太)と元公安の刑事・高座宏世(松田翔太)、そして空気を操るSPECを持った御厨静流(みくりや・しずる/木村文乃)の3人は、人智を超えた壮絶な戦いに巻き込まれていく。
監督の堤幸彦とプロデューサーの植田博樹は、過去に『ケイゾク』『SPEC』(共にTBS系)というドラマを手がけている。『SICK’S』はこの2作に連なる物語となっており、SPECサーガ完結篇と銘打たれている。
『SIC’KS』は恕(序)・覇(破)・廐(急)の3部作となっており、3月22日から「覇乃抄」がスタート。物語は複雑怪奇で、いまだ謎に包まれている。
同時に堤ならではの、くだらないギャグや小ネタも健在だ。
「覇乃抄」には、いまや警視総監となった『ケイゾク』の主人公・柴田純が登場する。しかし、柴田を演じた中谷美紀は出演しておらず、顔だけをうまく隠して、お嬢様風のセンスの悪い服装で紅茶を飲んでいる姿が描かれる。
ファンからすると中谷に再登場してほしい気持ちもないわけではないのだが、こういう見せ方のほうが、堤らしいなぁと、思わずニヤニヤしてしまう。
『ケイゾク』の中谷、『SPEC』の戸田恵梨香、あるいは『TRICK』(テレビ朝日系)の仲間由紀恵など、堤のドラマに出演したことで、新しい魅力を開花させられた女優は多い。
堤の演出は独特で、シリアスで翳のある芝居と、コミカルな振る舞いを、俳優に同時に求め る。一般的な芝居なら、それは一人の人間の感情の流れとしてつながらないのではないか? と思われるような振る舞いを平然と要求するのだが、シリアスとコミカルの間を俳優たちが力業で埋めることで、独自のキャラクターが生まれるのだ。
そんな堤ドラマの新しいヒロインとして『SICK’S』に挑んでいるのが、木村文乃である。
彼女が演じる御厨は過去の堤作品のヒロインの中でも、破格のヤバイ女だ。物語冒頭、御厨はSPECを暴走させ、すさまじいエネルギーで東京を焼き尽くす。そして、止めに入る自衛隊も皆殺しにする。
そこに「時間を巻き戻す」SPECホルダーの少女・ニノマエイト(黒島結菜)が登場して彼女と対峙する姿を見せた後、物語は過去に遡り本編が始まるのだが、この序盤だけでも御厨が破格の存在で、世界を滅ぼしかねない怪物だとよくわかる。
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