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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 火サスの街で食べる謎の定食
ホントにうまいのか? 珍級グルメハンター第103回

断崖絶壁の火サスの街で食べる謎の定食って……

謎の天ぷらの正体は……

 それならば、好きなものから食べていくことにしよう。

 しかし、複数の天ぷらが絶妙に絡まり合ってお互いを支えているので、ひとつを取れば全てのバランスが崩れて崩壊しかねない。慎重に慎重を重ねて、まずは一番取りやすい所にあったさつまいもから……。

断崖絶壁の火サスの街で食べる謎の定食って……の画像5

 ふむふむ、紛れもない庶民のおかず、さつまいもの天ぷらで、芋の甘みと天つゆのしょっぱさは、日本ならでわの味覚ではないか。ちなみに茨城県は、全国第2位のさつまいも生産量を誇る“イモ県”でもある。

断崖絶壁の火サスの街で食べる謎の定食って……の画像6

 続いて天ぷらの石垣から引き抜いたのは、イカゲソ天であった。これも庶民の台所ではスタメンといえる。続いてつまみ上げたのは、何やら白身の魚。これはいったい……?

断崖絶壁の火サスの街で食べる謎の定食って……の画像7

 たぶん、ブリではなかろうか? 幕の内弁当なんかに、たまに小さい天ぷらが入ってるいるが、こんなに大きなブリの天ぷらは初体験だ。下味もきちっとしていて、白身魚のホクホク感も楽しめた。

 好きなものからどころか、「取れるものから」という順番になり、おまけにこのあたりまで来ると、唇はもう叶姉妹並みにツヤツヤプルプルで、舌も口の中も油まみれ。付け合わせの柴漬けやイカの塩辛は、アッという間に食べきってしまい、残りの油は味噌汁で流し込んでは、次の石垣に取り組むのだった。

 この細長いものは……アナゴ? フルの長さのアナゴさんが、なんと2本突き刺さっている。その裏側にある、緑色が透けてるレースのブラみたいなのは何かの葉っぱだが、正体は不明だ。

断崖絶壁の火サスの街で食べる謎の定食って……の画像8

「分からないのは後で女将に聞くか」

 この時はそう思っていたのだが……。

 そして、最初の予想どおり、天ぷらの量は胃袋の容量をかるくオーバーしていて、8分目まで食べたところでギブアップ。お持ち帰り用のタッパをいただいて詰めることとなった。

 お会計時、お昼時の嵐が去って温和な表情になった女将に聞いてみた。

「あれは何の天ぷらだったんですか?」

 すると、

「あら~、出したときに聞いてくなきゃ分からないのよ~。ごめんね~」

 まぁ、あれだけ混んでいれば、ネタも変わるだろうし仕方ないか。そうだよな、出された時に聞くべきだった……。

 そう思って、店を出てから気づいた。店に戻った時には、すでにテーブルにはメニューが用意されていた……。はたして、天ぷらの具の詳細は!? 火曜サスペンス並みに、謎は深まるばかりの天丼なのだった……。

断崖絶壁の火サスの街で食べる謎の定食って……の画像9

五浦 船頭料理天心丸「ミックス天丼定食」1,350円

SNS映え  ☆☆☆
味     ☆☆
混み具合  ☆☆☆!!

(写真・文=よしよし)

最終更新:2019/11/28 18:59
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