断崖絶壁の火サスの街で食べる謎の定食って……
#グルメ #珍級グルメハンター
この魚は何?具の正体は!? 嵐とサスペンスの天丼定食
断崖絶壁の岩肌に、太平洋の荒波が砕け散る。その波しぶきに顔を洗われ、一歩踏み出そうとした足が怖じ気づいた……。サスペンス劇場で事件が起きるには、絶好の場所である(笑)。
ここは北茨城にある風光明媚な温泉地・五浦の街。数軒のホテルや民宿が点在する海辺の街には、射的屋もなければスマートボール屋も、もちろんストリップ小屋もない。あるのは、覗き込めば吸い込まれそうな崖と荒ぶる海、そして、客が溢れている一軒の料理屋だった……。
日曜日の昼前に到着すると、店の駐車場はすでに満車で、待ち客と思しき人々がたむろしている。
「えっ、こんなに混んでるの!?」
予想外だったが、とりあえず順番待ちの受付をお願いしようと店に入ると、昼時の厨房も店内も、嵐のようにてんてこ舞い。高校生のバイト少年が両手にお盆を持ち、呆然と入り口に立ち尽くす筆者に向かって言った。
「入れるのは1時間くらい後になりますけど」
「ハ、ハイ、わかりました」
素直にそう返事をしたその時、少年の表情が明らかに変わったのだ。
(1時間待ちだって言ってるのに、それでも食いて~のかよ!?)
目をひん剥いて、驚いているように見えたのだ(笑)。
女将と思しき女性が出してくれた表に、名前と電話番号と注文するメニューを書いて一旦店を出、待っている間に海でも見ようかと、近所を散歩したのが先出の写真である。
しかし、バイト少年も驚いた、客がそこまでして食べたいものとはなんなのか? きっちり1時間後にスマホに着信があり、店に入るとすでに席には注文の品が用意されていた。そう、今日はこれを食べに来たのだ!
丼にうず高く盛られているのは、もちろん天ぷらだ。テーブルからの高さ約30センチ。均一ではない複雑な形をした数種類の天ぷらを、石垣のように上手に組み合わせ、天まで届けと言わんばかりに盛っている。
それにしても、上手に盛ったもんだと思ったら、裏側は丼の蓋を立てて天ぷらを支えているのだった。が、この時点で筆者はあることを確信した。
「こりゃ、完食はムリだな」
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