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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 御茶海マミの“リアル地下ドル”事情
流れるプールだと思って浮かんでいたら海だった!

汚濁水でしか生きられない『なんちゃらアイドル』御茶海マミに聞く“リアルな地下アイドル”事情

できることがアイドルしかなくなっていた

汚濁水でしか生きられない『なんちゃらアイドル』御茶海マミに聞くリアルな地下アイドル事情の画像2

 そんな彼女だが、いわゆる“地上系”のように「夢は武道館!」などわかりやすい目標を掲げないまま、アイドルという、いつかは終わりがくる活動を続けることに対して、最近では悩むことも増えてきたという。最終的に目指す場所を聞いてみると、意外にも裏方の仕事に興味があるのだそう。

――マミちゃん個人の目標もアイドルとして成功することにある?

御茶海マミ 最近、それがわかんなくなってきちゃったの。なんか、みんなで楽しめたらいいよねとは思うんだけど。例えばCDを何万枚売るとか、そういうことに対してはあまり積極的になれない。自分の実力が伴ってないからそう思えないのかな。でもね、今ついてきてくれている人たちの気持ちは信じているし、ファンの存在がプレッシャーになってるって話でもないんだよね。

――たぶん、応援している人たちはどんどん高みに登っていく姿を見たいじゃないですか。でも、自分のなかではそれが本当に実現できるかわからないから、思い切れないということなんでしょうか?

御茶海マミ 私、別に自分のルックスが良いと思ってアイドルになったわけじゃないから、表に立つようになって「可愛いね」って言ってもらえることが増えて、最初はへー! 私、意外と悪くないんだ! って、それだけで嬉しかったんだよね。この顔で興味を持ってくれる人がいるのであれば、できる限り何でも挑戦していきたいなって思ってた。でも“可愛い”なんてね、年取れば絶対に失われるものだから。今、自分にはこれがあるから大丈夫って思えることが“アイドルであること”しかなくて、そういう永遠のないものばかりに頼りすぎる精神状態はあまり良くないんじゃないかなって。地に足がついてない感じがして、すごく怖いんですよね。だから、その反動で最終的には裏方にまわりたいって思うのかも。

――裏方というのは?

御茶海マミ 地下アイドルでライターの姫乃たまさんの活動に憧れます。学生の時から文章を書くことが好きだったから、脚本を書いたりとかしてみたいなぁ。アイドルをしていると芸人さんやカメラマン、ディレクターとかいろんな職業の人たちに出会うことが多いので、今は表側からそういう人たちの生き方を見る時なのかもしれない。

――表舞台に立つようになったからこそ外の世界に触れて、いろんなものを見聞きするうちに、そのうえで思うのは表現をしていきたいなと。

御茶海マミ うん、形が変わってもそういうことは続けていきたい。昔から漫画を描いたり、バンドを組んだり表現活動はずーっとしてたし。ただ、もともとが内向的な性格なので今までそれを表に出してこなかった。表に現れるで“表現”なんだから、出さなかったらその時点で別物なんだよ。だから今は誰にも見せずに創作してきたものを、アイドルとしてステージの上からアウトプットしてる感覚はあるかな。

汚濁水でしか生きられない『なんちゃらアイドル』御茶海マミに聞くリアルな地下アイドル事情の画像3

キャンプファイヤーみたいに燃え尽きたい!

 “アイドル”という儚さゆえに華やかな世界に生き、常に自分のなかでの終わりと向き合いながら、“地下”独特のその終わりさえ見えないような、舗装されていない道を走り続けている彼女。何がここまでそうさせて、『なんちゃらアイドル』は今、どこへ向かおうとしているのか? 最後に、リアルな心情を吐露してくれた。

――普通に就職するんだろうなぁっていうところから、劇的に運命が変わっていくとしたら相当恐ろしいことだと思います。そこを簡単に乗り越えることができたのに、今になって恐怖を感じるっていうのは?

御茶海マミ 最初は何もわかってなかったから、まぁこれも人生かっていうところからのスタートでした。だからあんまり激流に巻き込まれたような感覚もなくて、流れるプールで浮いていたらそのまま流れてましたみたいな。でも、今はすごく怖い。流れるプールだと思ってたのに海だった!ってことに最近気づいたんですよ。

――そうやってやりたいことを模索している今、『なんちゃらアイドル』としての最終形態はどうあってほしいっていうのは考えたりしますか?

御茶海マミ やっぱりキャンプファイヤーみたいに燃え尽きたいよね。たぶん、その瞬間があるから私もオタクも夢中になれるんだと思う。燃え尽きる最後の最後まで、みんなの良い思い出になれたらいいですね。キャンプファイヤーって楽しいでしょ、マイムマイムとか踊ってね(笑)。

――そうだよね、それこそアイドルって感じがします。いつ大きな火になるのか、消えてしまうのかは誰にもわからない。

御茶海マミ そうそう。ある程度こういうことがしたいっていうのはあるし、今までその通りブレずにやってきた自信もあるんだけど、売れる売れないに関しては本当に未知数。今はもう“地下アイドル”って言葉があるぐらいだから、何を以て売れるとするのかもわかんないよね。めちゃくちゃCDを売ったり、おっきな箱でワンマンやれたら売れてるってことではあるんだろうけど、ツイッターのフォロワーが2,000人ぐらいのアイドルでもそういうことができちゃう子たちって結構多いんだよ。なんちゃらだって、ある日突然バッっと売れる可能性も無きにしも非ずというか。そういうヒリヒリした感じが楽しいんだよね。だから私、いつ辞めるんだろう? とは考えるけど、まだまだ辞めるつもりはありません!
(文=佐藤麻亜弥)

●御茶海マミ(みさみ・まみ)
https://twitter.com/samami27

最終更新:2019/03/28 19:30
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