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電気がなくても聴けるのに……AMラジオ放送は、近い将来消滅する?

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※イメージ画像

 もう自宅にラジオを持っている人なんて、少数派ではなかろうか。日本民間放送連盟(民放連)がAM(中波)ラジオの放送を取りやめ、ワイドFM(FM補完放送)に転換できるよう総務省に制度改正を求めることを決め、にわかにラジオが話題になっている。かつては、情報収集や娯楽の手段として使われていたラジオも、もはやリスナーは多くはない。

「2017年にはTBSラジオがプロ野球中継から撤退することを決めたことが話題になりました。バラエティ番組に切り替えることでリスナーの若返りを狙ったわけですが、目に見えて成功しているとはいえません」(ラジオ局社員)

 総務省が16年にまとめた資料によれば、ラジオ局の広告収入は1998年以降一貫して右肩下がりとなっている。設備の更新にも巨額な費用がかかるAM放送を維持することは経営的にも困難となり、比較的簡易な設備で放送できるFM放送への転換が求められているというわけだ。

 けれども、この転換は決して簡単なことではない。

「ゲルマニウムラジオのように、AM放送は最悪、電源がなくても受信・聴取することが可能です。それにFMは電波が届く範囲が狭いですから、中継局の整備が必要になります。また災害時には、ラジオはいまだに重要な情報伝達の手段として活用されていますから、そう簡単に廃止するわけにはいかないでしょう。また、AMは電波の届く範囲が広いので国家間で周波数の調整が行われてるという事情があります。いったんやめてから、うまくいかないから元に戻すなんてことは、それこそ困難ですから、総務省も難色を示すんじゃないでしょうか」(BCLファン)

 海外の事例を見ると、既にドイツではAM放送が消滅。フランスでも風前の灯火。アメリカでは放送を継続するなど対応は分かれている。

 リスナーの多くも番組をラジオではなくラジコなどのアプリで聴いているという現在、AM受信ラジオも過去のものになってしまうのか。いっそ、すべて短波放送にするとか無理なのか。
(文=昼間たかし)

最終更新:2019/03/27 22:30
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