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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『さすらい温泉』元ICONIQが熱唱

『さすらい温泉』遠藤憲一と元ICONIQが、石崎ひゅーいの演奏で熱唱! 金剛地武志も加わる豪華ユニット

主題歌を歌う石崎ひゅーいが奇人役で

 尾藤父の手がかりを探す中、健さんが道端でギターを弾いていたミュージシャンに声をかけると、なんと番組の主題歌を歌う石崎ひゅーい。

 一瞬のカメオ出演かと思いきや、「ねえ、こけし好き?」と意味深な質問をぶつけてくる。

 実はこの石崎演じる磯崎はこけし職人。

「この子はよしえって言います」

「名前ついてるんだ……」

 巨大なこけしを抱いた磯崎と健さんのやりとりの後ろで固まってる優美。楽しい。

 よしえを生きた赤ん坊のように撫でたり健さんに抱かせたりする磯崎。

 今をときめく菅田将暉やあいみょんとプライベートで演奏したりしてる人なのに、何をしているんだ石崎ひゅーい。

 ちなみに調べてみると『おしん』で、売られていくおしんに母がこけしを持たせてやるシーンがあるのだが、それがここのこけしらしい。

 感動のアイテムが悠久の時を経てコントの小道具に。ここのこけしを指定したという橋田壽賀子先生も驚かれていることだろう。ご覧になっていたらの話だが。

 

遠藤憲一が初歌唱

 磯崎の話によると、磯崎父が実行委員をやっていたという「銀山温泉歌謡ショー」でオーバーブッキングがあったという。チラシに尾藤父の名前はなく、出演したと思い込んでいた優美はショックを受ける。

 健さんは、いつものようになんでも出てくるトランクバッグから取り出した、なぜか持ってるペギー尾藤と全く同じステージ衣装に身を包み、磯崎の演奏で歌い出す。

 父との思い出の曲「見上げてごらん夜の星を」を聞いて優美は思い出す。

 オーバーブッキングした歌謡ショーのスタッフに無下に断られ、引退を決めていた記念のステージを踏めず泣きながら土下座して出演許可を請う父の姿を。

 金剛地武志の「最後のステージ」にこだわる芝居が胸を打つ。

 優美は忘れていたが、その時横で見ていたのだ。頭を地べたに擦り付けて土下座する父の姿を。娘に約束した最後の勇姿を見せられずもがく男の涙を。

 歌う健さんが本物のペギーの姿になっている。幼い優美が笑顔で拍手を送っている。

 そして健さんの姿に戻ったかと思うともう一本のマイクを優美に渡す。デュエットだ。

 感動的なシーンなのだが、驚異的にマッシュルームヘアが似合っていない健さん。爬虫類顔に丸みを帯びたフォルムは収まりが悪いのか、顔だけアイコラみたいに見えてくる。

 だが、そんなことは御構い無しに銀山温泉の夜景をバックに「親子」の歌声が響く。

 ここは最後金剛地武志の姿にしてあげたい気もしたが、えもいわれぬパワーのあるシーン。後藤庸介監督はバックショットを効果的に使いますね。

 さらに、父が亡くなる前に一人で近くの神社を訪れ、絵馬で娘の幸せを願う願掛けをしていたことがわかる。

 父のやり残したことが全て自分のためだったとわかり感無量の優美。

 健さんはほぼ毎回、その地にゆかりのある歌を口ずさんでいるのだが(今回は花笠音頭)、本気の歌は初めてで、わかっていたけどそんなに上手くはない。しかしまっすぐで誠実な歌い方でした。

 そして、ラストは石崎本人によるギター一本での生エンディング演奏。後ろに普通にお年寄りが足湯に入ってるのに、ギターをかき鳴らしシャウト。かっこいい。

 カオスながら感動的な回となった今回。

 そろそろ最終回かと思いきや、月をまたぎつつ、残り2回ある模様。Paraviで過去作も見られるので復習しながら待ちましょう。
(文=柿田太郎)

最終更新:2019/03/27 17:00
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