イチロー引退会見に見る、人気芸人たちとの共通点
#今田耕司 #イチロー #出川哲朗 #テレビ日記 #中川家
中川家・礼二「勝ち負けやなしに、自分のレールをつくったらええやん」
イチローは語る。
「人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。あくまでも秤(はかり)は自分の中にある。自分なりにその秤を使いながら、自分の限界を見ながら、ちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの間にか、こんな自分になっているんだっていう状態になって。だから少しずつの積み重ねでしか、自分を超えていけないと思うんですよね」
23日に、『やすとも×中川家の旅はノープラン2019』(読売テレビ)という番組が放送されていた。姉妹漫才師の海原やすよ・ともこと、兄弟漫才師の中川家の2組が旅をする関西ローカルの番組だ。
今回は福岡の1泊2日の旅。糸島でインスタ映えする写真を撮ったり、直売所でソフトクリームを食べたり、太宰府天満宮でお参りしたりしていた。内容自体はよくある旅番組の感じなのだけれど、同期でプライベートでも親交があるという4人だけで展開されるトークは、いい感じでゆるい。中川家の弟の礼二が運転する移動中の車内で、兄の剛は普通に寝てたりしたし。
が、1日目の夜、夕食の塩もつ鍋をつつきながら、後輩芸人から寄せられた質問に答えるコーナーになると、2組の会話は少し真面目なトーンに変わった。「2組が思う天才芸人は誰ですか? 勝てないと思う理由もお聞きしたいです」という質問に答えるときのこと。中川家の音弟・礼二は、次のように語った。
「こうやって質問いただいて悪いけど、無駄な時間やと思う。勝ち負けやなしに、自分のレールをつくったらええやん」
他人と比べて頑張ることなどできないというイチローが、自分の中の秤を基準にしてきたように、他人と勝ち負けを比べるのは時間の無駄だという中川家もまた、自分たちだけのレールを引いてきた。ネタ選びで最も優先する基準は、自分たちが楽しいかどうか。だから、自分たちのネタがお客さんにハマらなかったとしても、「あきらめへんで」(剛)、「客があきらめるまでやる」(礼二)。
他人と比べ、他人を超えるのではなく、自分の中の秤に照らし、少しずつ自分を超えていく。その結果、比類なきパフォーマンスに到達する。ときに、仲間とともに。ときに、我慢しながら。出川と今田が現在立っている場所もまた、これまで引いてきた自分だけのレールの先なのだろう。
(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事