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出版流通の疲弊が深刻化! 中国・九州地方で本の発売日が、さらに一日遅れに……

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※イメージ画像

 4月から、中国地方と九州地方での本と雑誌発売日が1日遅れになることが、日本出版取次協会(取協)から発表された。流通の維持が困難な状態になりつつある出版業界の現状は、いよいよ深刻化している。

 現在でも、本と雑誌の発売日は首都圏が基準。中国地方では1日。九州地方では2日遅れとなっている。これが4月からは、さらにプラスで1日遅れとなる。原因となっているのは、トラック業界の人手不足。取協によれば「運行管理・労務管理上、法令違反の状態」にあるために、輸送を委託している運送会社から、スケジュールの緩和を求められていたという。

 出版業界の流通コストの増加は深刻だ。これまで出版流通は、雑誌をメインとして、“一緒に本を積む”という形で行われてきた。毎日のように発売される雑誌の存在によって支えられてきたわけだ。

 だが、情報を得る手段がネットへと移行したことで、雑誌の需要は右肩下がりとなり、流通網の維持が困難になっていることは、これまでも指摘されてきた。取協では2017年から、それまで年間5日程度だった土曜休配日を倍以上の13日に設定。今年は15日が予定されている。また、取次各社では出版社への負担増を求めているが、交渉は難航しているという。

「今後も雑誌市場が減少していくのは必然ですから、現在の流通システムが維持できるとは考えておりません。Amazonは独自の流通網を構築していますし、出版社には書店との直取引を拡大しているところも多い。むしろ、これまでの配本システムに頼らないほうが、本は売れるんじゃないでしょうか」(出版社社員)

 戦後しばらくまでは、地方に本を運ぶには輸送費がかかるため「地方定価」という価格設定をしている出版社も存在した。でも、いまさらそんな価格設定を導入することなど困難。抜本的な解決策は、まだ見いだせてはいない。

(文=大居候)

最終更新:2019/03/17 21:00
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