告発者を処分する恐怖政治の体操協会……メダル期待の村上茉愛にも暗雲か
#パワハラ #体操 #東京五輪
昨年、ワイドショーを大いに賑わせた女子体操のパワハラ騒動。日本体操協会が、収束しかけた騒動を蒸し返すという“悪手”を繰り出し、東京五輪の期待の星にまで影響が出そうだ。
当時18歳の宮川紗江選手がパワハラ被害を訴えたのは、昨年8月のこと。自身のコーチに無期限登録抹消の処分が下された彼女は、処分の撤回を求めるとともに、日本体操協会の塚原光男・副会長と塚原千恵子・女子強化本部長からのパワハラを告発した。しかし第三者委員会が出した結論は、「パワハラはなかった」というものだった。週刊誌記者が語る。
「『第三者委員会』と呼べば聞こえはいいですが、メンバーの5人のうち1人は、塚原夫妻が運営する朝日生命体操クラブと近い人物でした。報告書の結論も、『配慮に欠けたり、不適切な点は多々あったが、パワハラには当たらない』と、煮え切らないものでした」(スポーツ担当記者)
内容はともあれ、決着したかと思われたパワハラ騒動。ところが3月9日に体操協会が発表した調査報告書の内容には誰もが驚かされた。協会が宮川選手に反省文の提出を求めたのだ。その理由は、「塚原夫妻の名誉や信用を傷つけた」「協会の許可なく取材を受けた」「協会のパワハラ相談窓口を利用しなかった」といったもの。これについて、労働問題に詳しいジャーナリストはこう語る。
「こういった問題で最も大切なのは告発者の保護です。告発者が不利益を受けるようなら、ますます声を上げにくくなってしまうからです。しかし今回、体操協会は『パワハラはなかったんだから、騒動の責任を負って反省文を出せ』と迫りました(宮川は反省文を提出済み)。この一件が塚原夫妻の権力の絶大さを示していますし、この処分自体がパワハラですよ」
しかも体操協会の“横暴”はこれにとどまらない。体操協会は、五輪メダリストの具志堅幸司、池谷幸雄の両氏に対しても、発言に問題があったとして処分を下した。東京五輪まではあと1年あまりだが、こうなると不安視されるのが、東京五輪でメダルが期待される村上茉愛選手だ。フリーのスポーツライターが語る。
「女子体操で久々のメダル獲得が期待されるのが、昨年の世界選手権では体操女子個人総合で日本勢初の銀メダルを取った村上茉愛ですが、彼女は『池谷幸雄体操倶楽部』の出身です。しかも実の父親が同クラブのコーチを務めており、兄弟も同クラブ出身の体操選手というバリバリの“池谷派”です。騒動の最中には、池谷が『村上にも(塚原夫妻から)引き抜きがあった』と発言したこともありました。塚原夫妻はまもなく協会から去りますが、パワハラ騒動では夫妻が絶対的な権力の持ち主であることが判明しましたし、村上が“妨害”を受けるようなことがなければよいのですが……」(スポーツライター)
村上のあだ名は“ゴムまり娘”。そのしなやかさで、圧力など交わしてくれればよいが……。
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