“稀代のクソドラマ”竹内結子『QUEEN』フジテレビの脚本家が「本当に言いたいこと」って?
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YUKIちゃんのエンディングテーマはかわゆいですね。竹内結子主演『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)第7話で、よかったと感じたのはそこだけでした。そのほかは、相変わらず極めて不快です。
この言葉は極力使わないようにしてきましたが、もう我慢なりません。『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』は、クソです。稀代のクソドラマです。
視聴率も6.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と低空飛行が続きます。振り返りましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
■世間というのは。
毎回、時事ネタをモチーフにしている同作。今回はPayPayの100億円キャンペーンとコインチェック問題、それにブラック企業とマタハラだそうです。たぶんこのドラマは、電子決済と電子マネーと仮想通貨の区別がついていません。区別はついてないけど、「どうせ視聴者も理解してないだろ」「どうせブラック企業だろ」といった感じで、まあ雑に煮しめました。
冒頭、100億円キャンペーンを張った電子マネー「Paygood」が不正利用され、その被害を若い男性弁護士が訴えるシーンから始まります。すると、同僚の弁護士である氷見さん(竹内結子)と与田ちゃん(水川あさみ)が爆笑。もう、ものすごい大爆笑。100億円キャンペーンに乗っかって電子マネーを使用するような奴はバカだし、それを不正利用されるなんて、さらに大バカだという価値観の提示です。
続いて、その「Paygood」の開発担当だったSEの女性が紹介されます。この女性は与田ちゃんの大学の先輩だったそうですが、ドラマは、なんの躊躇もなくSEを「加害者」と呼びます。この時点で、どんな不正があったのかは明らかにされていませんが、不正に利用されたシステムを作ったSEは問答無用で「加害者なのだ」という価値観の提示です。
これはおそらく「世間の価値観って、そういうもんだろ?」というフジテレビの視点だと思うんですが、普通に考えて、世間とはそういうものではありません。100億円キャンペーンに乗っかったからといって、金を騙し取られた人間を前に大爆笑しませんし、事情もわからず担当SEだというだけで加害者呼ばわりしたりしません。
これは、このドラマに通底している価値観です。そして氷見さんと与田ちゃんは、徹頭徹尾「それは世間が、ゆるさない」「そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ」「いまに世間から葬られる」と言い続けています。ときに世間に歪んだ情報を流して、「許さない」方向に世間を誘導することで問題を解決してきました。
ただ、この「世間」の認識が壊れているので、このドラマは共感を得られないし、数字も獲れないわけです。
「世間というのは、君じゃないか」と、かの太宰治先生も『人間失格』でおっしゃっていましたので、フジテレビ様がまだ読んでいなかったら、ご一読いただきたいところです。
■時事ネタに対する認識もヤバい
さて「Paygood」の不正利用の方法ですが、なんとクレカ登録時にカード番号とセキュリティコードを無限に試せるという、ものすごいシステムが採用されていました。誰かの人名をローマ字で打って、あとは番号を総当たりすれば決済に使用できるという、まるで日本中に存在するクレカを目の前に全部並べて「好きなのを使え」と言っているようなシステムです。
控え目に言って、視聴者を舐めるのもいい加減にしてもらいたいと感じます。これで納得させられると思っているなら冒涜です。これまでも、どこかの誰かを冒涜し、愚弄するシーンを積み重ねてきたこのドラマですが、いよいよ本格的かつ直接的にテレビの前にいる視聴者を愚弄してきたな、と逆に清々しくも感じられる迷シーンとなっていました。
これ、マジでまったく無知で無恥な人間がWikiとまとめサイトをちょっと見ただけだろと思うけど、まあ大真面目にやってるし、最終的にはそんなシステムの「Paygood」をIR大手企業が「欲しがってて、最後は買収する」という茶番を演じました。舐めんな。
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