富川アナの乱入、三谷ドラマとの類似……。波乱の後半戦スタート『ハケン占い師アタル』第6話
#ドラマ #テレビ朝日 #どらまっ子 #杉咲花 #ハケン占い師アタル #遊川和彦
悩める現代人にヒーリング効果があると評判の『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)。ベテラン脚本家・遊川和彦のポイズン度高めのオリジナルストーリーですが、若手演技派女優・杉咲花がさらりと主人公アタルを演じることで程よく中和されています。アタルのボスである大崎課長にスポットライトを当てた第6話を振り返ってみましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
物語も後半戦に入り、いつものお約束的な展開から少しずつ変化が現われ始めました。いつも冒頭に登場し、「悩んでいるのはあなただけじゃない」と微笑んでいた謎の女性・キズナ(若村麻由美)ですが、キズナが今回カウンセリングしていた相手は都内のイベント会社に勤める大崎課長(板谷由夏)でした。自殺を考えるほど追い詰められていたようです。いつになくシリアスムードな幕開けです。
大崎課長の悩みは、代々木部長(及川光博)から命じられた「チームから出向社員を1人選んでほしい」というものでした。都内から通勤3時間を要する倉庫管理会社へと飛ばし、自主退職を促すという陰湿なリストラ計画だったのです。ミッチー演じる代々木部長のクソ上司ぶりに、ますます拍車が掛かっています。
人のよい大崎課長は、リストラ候補を容易に選ぶことができません。それにも増して、派遣社員のアタル(杉咲花)が来て以来、職場の雰囲気がすっかり変わったのです。みんな、大崎課長に文句ばかり言っていたのに、今では誰もがやる気まんまんで働いています。「もう辞めます」が口癖だった品川(志尊淳)は「俺、もっと頑張ります」と明るい笑顔を見せています。顔を合わせれば言い争っていた上野(小澤征悦)と田端(野波麻帆)はいい感じですし、神田(志田未来)と目黒(間宮祥太朗)はラブラブモードです。
リストラの件だけでも頭が痛いのに、ローンを支払い中のマンションに帰れば、中学生の息子は反抗期の真っ盛り。学校の人間関係で悩みを抱えているようですが、ひと言も話そうとはしません。夫は「こっちは仕事で疲れているんだ。母親の仕事だろ」と息子のケアを一方的に押し付けてきます。そのくせ、若い女の子との火遊びをこっそり楽しんでいるようです。会社ではクソ上司、家庭ではクソ夫に悩まされる大崎課長。職場のリーダー、主婦、母親の三役を兼任するのはハンパなく大変です。
酒に酔った大崎課長は、荒井由実の1970年代の名曲「やさしさに包まれたなら」を口ずさみます。「小さい頃は神さまがいて、不思議に夢をかなえてくれた やさしい気持ちで目覚めた朝は 大人になっても奇蹟は起こるよ」と歌う大崎課長ですが、悩める40代の働く女性をやさしく包み込んでくれる神さまはどこにもいそうにはありませんでした。
■インチキ占いに洗脳されてしまう大崎課長
クソ上司の代々木部長に出向者を早く決めるように迫られた大崎課長は、ついつい神田が妊娠していることを漏らしてしまいます。代々木部長は「妊娠しているなんて知らなかった」「倉庫管理はデスクワークだから、彼女にとってもいいはず」と一方的に神田を出向候補に決めてしまうのでした。
神田に自分の口からそのことを伝えなくてはならない大崎課長は自責の念に囚われ、警報が鳴る線路の踏み切りでボーッとしてしまいます。そのとき声を掛けてきたのが、キズナが主宰する新興宗教まがいの団体にいる信者たちでした。キズナに引き合わされた大崎課長は「あなたは悪くない。悪いのは周囲や環境」「必要なのは、あなたを解放すること」と甘い言葉に洗脳されてしまいます。
ここでアタルの出番です。会社を辞め、家庭も捨てて、大崎課長はキズナのところで世話になると言い出します。「目を覚まして!」とアタルは大崎課長の顔に思いっきりビンタをカマします。「誰にでも当てはまることを泣きながら言って、お金を巻き上げているんです」とキズナのインチキ占いぶりを暴露するアタルでした。そんな手口が嫌になって、アタルは母親であるキズナから逃げてきたのです。
アタルの鑑定が始まりました。大崎課長の悩みは、いつまで経っても自分に自信が持てないということでした。学生の頃は学級委員に選ばれ、職場ではいち早く管理職に選ばれるなど、周囲から常に信頼されてきた大崎課長です。でも本人いわく「憧れていた先輩や仕事のできる上司の真似をしてきただけ。いつニセモノと呼ばれるかと、ずっと怖かった。もう疲れちゃった」と本音を吐露します。
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