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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『QUEEN』から感じるマウント意識

竹内結子『QUEEN』から感じる「若い男にホレるババアは惨めだ」という強烈なメッセージ

 ほかにもあります。今回も明確にパワハラが行われるシーンがあったにもかかわらず、「被害者側に非がある」という理不尽な描写がありました。灰皿を投げつけられた3人の女性秘書は、長きにわたって作家に尽くしてきたはずなのに、いつの間にか「遺産狙いの薄汚い狸ババア」扱いされてドラマから叩き出されてしまう。代わりに、「遺産狙いのホスト上がりのクソ野郎」として扱ってきた若い男を「才能ある若手流行作家」に仕立て上げる。若い男の才能や未来といった美しさを描こうとしても、その内実を作るのが面倒だから、周囲の人物を必要以上に汚していく。そして、汚されていくのは、いつも女性ばかり。

 老若にかかわらず、竹内結子と水川あさみに成敗されるのは、いつも女性なんです。画面から「美人が気に食わない」「自立した女が気に食わない」「すぐ泣く女はもっと気に食わない」というメッセージがビンビンに伝わってくる。4話まででちょっとやりすぎたと思ったのか、5話からは女性を救うようなポーズを取ってみたけど、結局5話の遠野なぎこからは仕事を取り上げ、再起不能の状態に陥れることで大団円のような顔をしていたし、今回の6話では真野響子を、がんで殺してしまいました。どうしても女性に救済や平穏を与えたくないというドラマの強い意思を感じます。さらに気味が悪いのは、それでも表面上は「女性を救った」という顔をしていることです。

■時事ネタならまだしも

 前回まで、時事ネタを雑に扱っているのが嫌だという話もしていましたが、今回は時事ネタ要素薄めで、人の才能や故人の遺志、あるいは誇りや信頼といった普遍的なテーマが語られました。人の才能や故人の遺志、あるいは誇りや信頼といった普遍的なテーマが、これまで同様に雑に扱われたのです。これはもう時事ネタとは比較にならないくらい不快でした。

 今夜放送の第7話は「マタハラ」だって。もう見るのが怖いよ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2019/02/21 20:00
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