ドルガバ事件の意趣返し!? イタリアで高まる嫌中感情が爆発寸前
#中国
昨年11月、イタリアのファッションブランド・ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)が公開した宣伝動画が中国人を侮辱しているとして、中国では同ブランドの不買運動が巻き起こった。一方、イタリアにいる中国人たちも同ブランドの本店前で抗議活動をするなど、イタリア社会にも直接衝撃を与える事態となった。そんななか、現地では急激に嫌中感情が広がっている。
香港系ネットメディア「東網」(1月30日付)によると、イタリアの大手スーパーマーケット・イーペルで、中国人買い物客とイタリア人店員の間でトラブルが発生した。中国の動画サイト「梨視頻」には、その一部始終を撮影した動画が投稿されている。記事によると、中年の中国人女性が中国語で男性店員に商品の金額を尋ねたところ、店員は英語で応対した。ところが、まったく意思の疎通が取れず、店員のストレスは頂点に達してしまう。やがて店員は突然、イタリア語で「お前たちはイタリアに来て、なんでもかんでもめちゃくちゃにしやがって! とっとと中国へ帰れ! お前の脚をへし折って、拳銃で一発ぶち込んでやりたい!」と暴言を言い放つと、手で拳銃の形を作り、中国人女性の頭に突きつけたのである。
今回の動画はイタリア国内でも拡散され、物議を醸した。ネット上では、「大手のスーパーマーケットで、こんな民族差別主義者が働いてるなんて! 会社は厳しく罰すべきだ」「店員の行為は絶対に許されるものではないが、この中国人もイタリアにいるのに中国語で店員に話しても通じないことくらい理解するべきだ」「この店員をクビにしないのなら、もう二度とスーパーを利用しない」などといった声が上がっている。
スーパーマーケットの運営会社は1月27日、SNS上で声明文を発表し、「今回の事件は大変遺憾であり、被害に遭われたお客様には心よりお詫び申し上げます。該当の店員は厳しく処分します」と、謝罪した。
イタリアでは近年、チャイナタウンが拡大され続けて巨大な華僑社会が形成されつつあり、こうした動きに警戒感をあらわにする人も少なくない。さらに、ドルガバの事件以降、中国に対する意趣返しが横行している。現地の人気テレビ番組・NoveTV では、「中国ではみんな犬を食ってる」「中国人は痰や唾をそこら中に吐き散らかしている」などと 中国に対する否定的な言動が放送され、中国人の怒りを買っている。
昨年9月にはスウェーデンでも中国人観光客がトラブルを起こし、外交問題にまで発展したが、こうした嫌中感情がヨーロッパ全土に広がるのは時間の問題かもしれない……。
(文=青山大樹)
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