M‐1出場芸人のすごさがわかる、泣けるお笑い芸人マンガ『べしゃり暮らし』
#お笑い #マンガ #ザオリク的マンガ読み
皆さん、お笑いは好きですか? お笑いといえば、その頂点は「M‐1グランプリ」ですよね。2018年末に行われた平成最後のM‐1では、平成生まれの若手コンビ・霜降り明星が 見事、史上最年少の王者に輝きました。
しかしその直後、M-1審査員への暴言騒動が起こり、せっかくの感動を台なしにしてしまうという衝撃の結末を迎えました。いま考えてみると、ここまでの一連の流れも含めて、さすが平成最後といえる展開だったといえます。
ところであらためて調べてみると、お笑い芸人をテーマにしたマンガってビックリするぐらい数が少ないんです。今回ご紹介する『べしゃり暮らし』(ヤングジャンプコミックス)こそが、ほぼ唯一のお笑い芸人マンガの成功例と言って過言ではありません。
『べしゃり暮らし』の作者は『ろくでなしBLUES』『ROOKIES』など不良&スポーツをテーマとした作品でヒットを飛ばしてきた森田まさのり先生。本作はお笑い芸人がテーマとなっていますが、もともと森田先生のお笑いへの思い入れはハンパではなく、本作以前にもお笑いがテーマの読み切りマンガを描いていたり、自ら吉本興業の芸人養成所NSCに入学したり、M‐1グランプリにまで出場したりしています。ちなみに、M‐1出場時のコンビ名は「漫画家」。まさかのヒネりなし!
お笑い芸人をテーマにしたマンガが少ない理由は実にシンプルで、漫才をマンガにすると面白くないからです。漫才は単なるネタだけでなく、テンポや間や動きで笑いを生み出します。マンガでテンポや間を表現するなら漫才よりも4コママンガのほうが向いていますし、コントの場合も『こち亀』で両さんが無茶苦茶やって大原部長が怒り狂うシーンなんて、まるで警察コントのようですが、これをお笑い芸人がやっている体でマンガにしてしまうと、ちっとも面白くないわけです。
では、『べしゃり暮らし』はなぜ成功したのか? それはギャグマンガにするのではなく、作品の中に友情・努力・勝利そして泣きの要素を組み込んだ、スポ根マンガ的アプローチを取り入れているからなのです。
本作は、とにかく一番面白いやつになりたい! という野望を持つ高校生、自称“学園の爆笑王”上妻圭右(あがつま・けいすけ)が主人公。ある日、元お笑い芸人の転校生、辻本潤が現れ、圭右は自分より面白いやつの登場にライバル心をむき出しにするのですが……。それにしても、自称“学園の爆笑王”てなんやねん! 自分でハードル上げすぎてて笑えんわ!!
圭右と辻本は、なんやかんやでぶつかり合いながらも漫才コンビ「べしゃり暮らし」を結成。NSCみたいなお笑い養成所・YCA(ヨシムラコミックアカデミー)に入所し、ライバルの若手芸人たちと切磋琢磨しながら、M‐1グランプリみたいな若手お笑いグランプリのNMC(ニッポン漫才クラシック)のチャンピオンを目指す、というストーリーです。
あまりにも元ネタがバレバレすぎて、読んでいて「もうNSCとM‐1でええやん!」てなります。
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