眞子さま&小室圭さん、どうなる!? 週刊誌はなぜ「どうしても別れさせたい」のか……?
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
次も新潮の、これまたなんともやりきれない記事。
1月31日未明に、茨城県神栖市の空き地から、翌月19歳になる菊池捺未さんの遺体が掘り起こされた。
逮捕された廣瀬晃一容疑者(35)とは、ネットの掲示板上で出会った。昨年11月20日に、お茶の水にある日本薬科大学の授業が終わって電車を乗り継ぎ、JR鹿島線の鹿島神宮駅までやってきたというのだ。
そこから待ち合わせに指定されたコンビニ近くでタクシーを降りた。友人にはLINEで「男の人に会いたいといわれている」と伝えていたという。
捜査関係者によると、廣瀬がそこにきて、目隠しをして彼女を自分のアパートへ連れていった。
2人でしばらく過ごした後、廣瀬は数キロ離れた畑まで彼女を連れていって置き去りにしたそうである。だが彼女は、そこから歩いて廣瀬のアパートの近くまで戻り、近くの家でアパートの場所を聞き、「東京から来たのだけど、お金がなくて帰れない」「男の人ととの間でお金の問題があって」などと泣きながら話していたという。
アパートに舞い戻った菊池さんは、再度その家を訪れて「解決しました」と告げていた。
だが、廣瀬のクルマに乗せられた彼女の携帯電話の位置情報は、午後11時ごろ、10数キロ離れた遺体発見現場で途切れたままになってしまうのである。
廣瀬は性犯罪などで2度の検挙歴があるそうだ。昨年4月には千葉県に住む女子高生に現金を渡してみだらな行為に及んだとして、罰金50万円の有罪判決を受けている。
この時も、その少女と知り合ったのは携帯電話のSNSだった。
新潮によれば、廣瀬が菊池さんに提示した金額は30万円だったそうだ。だが廣瀬は働いておらず、そんな金額が払えるはずはなかったのだろう。
菊池さんの執念が悲劇を招いてしまったようだ。私には、ネットで知り合っただけの見ず知らずの男の部屋に、なぜ若い女性が訪ねて行くのかが理解できない。
男は狼にも殺人者にもなるのだから。
今週の第1位も、心が苦しくなる切なくてやりきれない事件の記事である。
心愛と書いて「みあ」と読む。これだけを見れば、この娘の父親は、この子が生まれたことを心から喜び、愛しくて名付けたのだろうと思ってしまう。
だが、心愛ちゃんはわずか10歳で、名付けた父親の暴力によって命を絶たれてしまうのである。
鬼の父親は栗原勇一郎、41歳。妻のなぎさ(31)も、「夫の暴行を止めることもなく、消極的な幇助があったとみなされ」、傷害容疑で逮捕されてしまうのだ。
文春によれば、心愛ちゃんは千葉県野田市の自宅の浴室であおむけに倒れ、心肺停止していたという。
「勇一郎は心愛ちゃんを長時間立たせたり、冷水でシャワーを浴びせたりしたほか、首近辺を鷲掴みにして髪を引っ張るなどした。(中略)胃にはほとんど内容物がなかった」(捜査関係者)
栗原は沖縄で「沖縄観光コンベンションビューロー」に勤務していた当時、なぎさと知り合い結婚した。だが、外では温厚でコミュニケーション能力も高いといわれていたようだが、家庭内では暴力がひどく、それが原因で妻は精神科に通院することになり、娘を連れて実家に戻ってしまう。離婚が成立したのだが、栗原が復縁を懇願し、その後復縁するのである。
だが沖縄で一緒に暮らしている間も、妻や娘に対して暴力を振い続けていた。やがて栗原一家は野田市に引っ越す。
転校先の小学校のいじめに関するアンケートに心愛ちゃんは、「お父さんに暴力を受けています。先生、どうにかなりませんか」とSOSを発信。柏児童相談所は彼女を保護するのだが、父親が野田市教育委員会に怒鳴り込んでくる。
無理やり書かせたに違いない「アンケートを見せてもいい」という心愛ちゃんの手紙を見せて脅し、震え上がった担当者は、無責任にもそれを渡してしまうのである。
栗原は娘を転校させ、児相にこれも脅して書かせた心愛ちゃんの「父親の暴力は嘘」という書面を見せ、娘を自宅に連れ戻してしまうのだ。
責任感の欠如した学校、教育委員会、児童相談所の連中は、その後の彼女をフォローすることはなかった。助けられる小さな命があったのに。
新しい学校で、心愛ちゃんは自ら立候補して学級委員長を務め、いつも満面の笑みで元気に挨拶していたという。父親への恐怖と服の下のあざを隠しながら。(※文中一部敬称略)
(文=元木昌彦)
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