ローカル番組なのに人気は全国区! 千鳥のニッチな視点を視聴者と共有する『相席食堂』の構造
#お笑い #千鳥 #朝日放送
■赤と青と白が出てきて笑いが止まらなくなる千鳥
松崎と赤ダウンの町の人が出会うと、そのツーショットは面白すぎた。
ノブ「赤! 赤と赤や。白と黒やろ、今日の遊びは(笑)」
大悟「ロケしてるときに気にならんかった? 『これではスタジオが赤一辺倒になってしまう』って。気付けよ!(笑) 」
いや、なかなか気付かない。この面白ポイントは、千鳥のツッコミありきだと思う。
千鳥のいじりは続き、暴走する。雪かきを手伝った松崎はそのままお宅へお邪魔して、熱燗にした富山の地酒「三笑楽」をいただいた。松崎は酒好きだ。ちょっと引くぐらいにグビグビいく。
大悟「顔を赤にしようとしてるコントじゃないよな?」
ノブ「そういうことか(笑)」
こんな角度からまで“赤いじり”をする千鳥! 1つの方法論、必勝パターンができた以上、どんなやり方で赤を絡ませても絶対面白くなる。
松崎は、このお宅で「三笑楽」を一升瓶ごといただいた。以降、これを町の人と一緒に飲んで相席しようと松崎は考えた。まずは、通りにあった写真店へ飛び込みで入る松崎。この店のご主人と意気投合し、松崎は振る舞い酒をする。ちなみに、ご主人の年齢は85歳だった。
松崎「まだ俺なんか、やっぱりケツ青いんだよなあ」
大悟「服が赤いやん!」
ノブ「ケツは青いかもしれんけど服が赤いんよ」
「白」「黒」「赤」に、今度は「青」まで絡ませる千鳥。ここまできたら、もう無双状態である。単に「色」を話題にするだけで笑えてきてしまうのだ。
酒をしこたま飲んだ松崎は、今度は町を歩いた。そして、地元の温泉を発見する。千鳥足で松崎はその温泉に入浴することにした。褐色の裸で露天風呂に入る松崎。そのお風呂に地元のお客さんも入りにきた。1人ではなく、いきなり3人のお客さんがやって来たようだ。
ノブ「誰か来た。……おい、多いな! 白い尻が多いぞ!」
「黒」「白」「赤」「青」と来て、また新たに「白」を追加する千鳥!
おそらく、千鳥のツッコミがなければ、『相席食堂』は既存の番組と大差なくなる。よくあるタレントの旅番組だ。千鳥がVTRをいじり倒すことで、視聴者も彼らの視点を共有することになる。
問題は、千鳥の面白がり方である。彼らは“裏笑い”的な視点に終始することも決して少なくない。例えば、今回のVTRを素材だけ見て、その後に2人の“赤いじり”を知らされれば“裏笑い”の印象を受けると思う。でも“待てぃボタン”を導入したことによって、ニッチな印象は皆無になる。ニッチな笑いを王道っぽく見せている 。だから、『相席食堂』の間口は普通に広い。変に凝った構造にしているわけでもないのに、奇跡的にこの番組ってめちゃめちゃ新しいと思うのだ。
(文=寺西ジャジューカ)
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