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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『メゾポリ』「老害」角野卓造節炸裂

高畑充希主演『メゾン・ド・ポリス』「老害」角野卓造のオヤジキャラ炸裂も、“お決まりパターン”に飽き飽き?

■若者と年配者、どちらかに偏りすぎない脚本

「世の中から必要とされなくなった自分が、ゲームに夢中のくだらない若者に殺される。何ともいいアイデアだろ」

「私達が死にものぐるいで作りあげてきた豊かな国で、ぬるま湯につかってダラダラ過ごしてるああいう連中がいるから日本はダメになった」

「私はああいう連中を有効活用しようとしたんだ」

 と、若者に対する偏見がすさまじい田口。でも、見ていて気持ちよかったのは、そんな田口と同世代で境遇も似ている迫田さんが、「俺もお前と一緒だからわかる」と寄り添いながらも、

「気持ち悪いな、お前。かまってほしいだけだろ?」

「若い連中のせいにすんな。お前は人の手を借りなきゃ死ねない臆病者だ」

「てめえのワガママに若い奴らを巻き込んでる老害だ」

 とバッサリ切り捨てたこと。

 柔道教室に通う子どものママから“老害”と言われたり、居酒屋でひよりに「男が稼いで女は家を守る」「みんなそうやって歯食いしばってやってきたから今の世の中がある」などと説教じみたことを言っていた迫田さんが言うからこそ、胸に刺さるものがありました。

 また、単に若者への説教だけじゃなく、年長者の身勝手さや理不尽さだったり、傲慢さもきちんと描かれていたので、どちらか一方に肩入れすることなく、平等に見ることができたのだと思います。

 ネット上の反応を見ても、今話は迫田さんへの反響が大きく、中でも、最後に田口に言った、「次の連中に何かを残せなくなった奴にできるのは、だまって死ぬのを待つことだけだ」というセリフが、「泣けた」「めちゃくちゃ重い」「残酷だけど、ある意味言う通りかも」と、視聴者たちに刺さったようです。

 

■『渡鬼』を越える、角野卓造の“オヤジっぷり”

 迫田さんが今回の事件に食いついたのは、秀之が、自分の息子がキャプテンを務める大学バスケ部の一員だったからでした。仕事人間すぎるがゆえ奥さんから愛想を尽かされ熟年離婚した迫田さん、息子のことなんて何も知らないと口では言っていましたが、なんだかんだ、気にかけていたようです。

 ひより曰く、そんな迫田は「自分の父と似ている」んだとか。彼女の父は、みかんゼリーを買って帰ると約束した日の夜、残業で建設現場に行き、建物から落ちて死にました。

「いくら親子だってちゃんと言葉で伝えてくれないと、何考えてるかわかんないんです」

「迫田さんは、家族にちゃんと気持ちを伝えたほうがいいと思います」

 ひよりのその言葉に、その夜、迫田さんは、息子の活躍が載った新聞の切り抜きをまとめたノートをとっても優しい顔で眺めたり、元妻が「大好きだから」とメゾンに送ってくれた漬物を食べて口元を緩ませます。実は家族のことを大切に思っているようすが伝わってくる、とってもあったかいシーンでした。演出も良かったのですが、セリフはなくともその佇まいで魅せた角野卓造さんも、さすがと言わざるを得ない演技でした。

 新聞を読みながら小言を言ったり、ひよりに説教をしてみたり、頑固オヤジな角野さんを見ると、どうしても『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の勇おじちゃんが頭にチラつきますが、迫田さんのキャラクターもあいまって、口うるさいけどどこか憎めない、“愛されオヤジ”になっている気がします。

 

■事件解決までの“お決まりパターン”には飽き飽き

 今回は初めてメゾンのおじさんたちの過去や内面に踏み込む内容となり、ここまで絶賛してきましたが、とはいえ、「ひよっこ刑事のひよりがおじさんたちのフォローのおかげでなんだかんだ事件を解決する」というお決まりのパターンにはそろそろウンザリしてきた視聴者も多いはず。視聴率ダウンはそこに原因があるんじゃないかと勝手に思っています。5話以降は、“どう飽きさせないか”がポイントになってくるんじゃないでしょうか。

 あと、これは物語の本筋とは関係ないんですが、事件解決後の恒例のカラオケ大会で「お嫁サンバ」を歌う野口五郎、もうちょっと見たかったです。今夜は「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」あたりを歌ってくれるんでしょうか……?

(文=どらまっ子TAROちゃん)

最終更新:2019/02/08 20:00
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