世界初のクラフトコーラ専門メーカー「伊良コーラ」を飲んできた【前編】
#勝手にしらべ隊
――貴重なものなんですね。コーラに入れる以外に、使い道はあるものなんですか?
「アフリカではそのままポリポリとかじって、滋養強壮に良いものとして食べられたりもしているんですけどね」
――そもそも「伊良コーラ」さんみたいに個人で作る「クラフトコーラ」っていうものは、ほかにも存在するものなんですか?
「いや、世界的にもないと思います。『簡単に手に入るものでコーラの味を再現してみよう!』みたいなことを試みとしてやっている人はいると思うんですが、コーラの実をわざわざ個人で輸入してすりつぶしてっていうのは、ないと思います」
――なぜ、そんなことをしようと思ったんですか?
「学生時代に世界のいろいろな国を放浪している時期がありまして、もともとコカ・コーラが好きだったんですが、世界のコーラを飲み比べて、味の違いを知ったりして、ますますコーラが好きになっていったんです。そんな感じでずっと一コーラマニアだったのです
が、ある日、たまたまコカ・コーラの秘伝のレシピがネット上に公開されているのを目に
して、作ってみようと」
――そのレシピ通りに作れば、「コカ・コーラ」の味になるものなんですか?
「いや、全然うまくいきません(笑)。例えばスパイスひとつとっても、ホール(スパイス本来の形)で使うか、すりつぶしてパウダーにして使うかで、味が全然違うんです。最初は、味がぼんやりしてしまって。ただ、私は北海道大学の農学部で勉強していたこともあって、自然の調味料であるスパイスにも興味がありましたし、漢方の職人をしていた祖父の影響もあって、何かを調合するということが好きだったんです」
――調合好き! なかなかいないですよね(笑)。
「そうですね。祖父の影響は、とても大きいんです。理想の味を作る上で、祖父が仕事で使っていた焙煎の技術を応用したらうまくいくようになりまして、それでも納得のいく味に近づけるのに3年ほどはかかりました」
――その漢方職人だったおじいさんは、どんな方だったんですか?
「祖父は伊東良太郎という和漢方の職人で、今のこの工房も、祖父が『伊良葯工(いよしやっこう)」』という工場をやっていた場所なんです」
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