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日刊サイゾー トップ > 社会  > ソース臭漂う「月島」の再開発問題

どんどんダメな街になっていく……ソースの匂いがする「月島」の自滅

※イメージ画像

 本当に、来年東京オリンピックが開催されるのか? 都内のあちこちをウロウロしていても、なかなか実感が湧かない。前の東京オリンピックの時は、こうじゃなかっただろうに。

 首都高はできるし、どんどん鉄筋コンクリートのビルはできるし。その建て替えくらいしか行われていない今回は、いまいち世の中の変化が感じられない。

 でも、湾岸エリアは別だ。移転によって豊洲市場が開場してから、徐々に人の流れが変わっているように思える。晴海どころか有明あたりにもマンションは増えた。ただ、このマンション周辺、なんとか徒歩圏のゆりかもめやりんかい線を除けば、交通機関はバスだけ。離れ小島に無駄に大きなマンションだけが増えているというのが正直な印象だ。

 そんな湾岸部のマンション建設ラッシュは、さらに拡大している。もともと倉庫街だった勝どきはマンションだらけになっている。そして、月島も、である。

 月島といえば、商店街にソースの香りが漂う、もんじゃ焼きの聖地。いまだ、もんじゃ焼きが美味いかと聞かれれば「?」マークが点灯する筆者。でも、需要は多いようで有名店の前には平日でも行列が当たり前だ。

 下町風情の残る、もんじゃ焼きの街として長らく観光地となってきた月島。だが、そこにも変化が起こっている。それも、考えられない形で。

 なんと商店街の一角が取り壊されて、マンションの建設が始まっているのである。寂れた地方の商店街で、アーケードの中にあった店舗が取り壊されて、マンションになっている風景は珍しいものではない。だが、月島はちょっと違う。下町の情緒を売り物にしている街で、店舗がゴソっと消滅し、マンションへと変わろうとしているのだ。

 それも、商店街の端のほうとかではなく、ちょうどド真ん中で。これまで下町風な古さと、もんじゃ焼きでムードを保ってきた月島。それも、いよいよ終わり始めているのか。

 自ら望んで、街の終焉へとひた走る月島。久しぶりに訪れて、もうこの街には用はないと思ったのであった……。
(文=昼間たかし)

最終更新:2019/02/04 23:00
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