「また、ふゅーじょんぷろだくとか……」何年たっても変わらないパワハラ出版社の歪んだ体質
#本 #パワハラ #出版社
出版社・ふゅーじょんぷろだくとが、移籍を決意した作家に対して、無体な要求を突きつけていたことが明るみになり、注目を集めている。
ふゅーじょんぷろだくとといえば、日本のオタク史を語る上で外すことのできない出版社。だが、同時に、無数のトラブルを生んできた出版社としても知られている。
今回、ふゅーじょんぷろだくとをTwitterで「告発」したのは、BLマンガ家のさちも氏だ。さちも氏はこれまで同社で単行本『かしこまりました、ディスティニー』シリーズを出版。この作品は続編も期待されているものだが、説明によれば、同社と「一緒に仕事を続けていくことに疑問を感じるような出来事」があり、さちも氏は2018年2月をもって、契約の解除を申し入れ。
そうしたところ、同社は今後同作品の続編などを他社で出版した場合は損害賠償請求をする。作品は、ふゅーじょんぷろだくととの共同著作物であることなどを主張してきたというのだ。
出版社や編集者と意見が合わなくなり、会社を変えるのは、これまでも、多くのマンガ作品や描き手が経験していること。今回のような「脅し」とも取れる対応をする出版社というのは珍しい。
だが、業界事情に詳しい人からは「また、ふゅーじょんぷろだくとか……」という声も上がっているのだ。
ふゅーじょんぷろだくとは、映画館ラピュタ阿佐ヶ谷やザムザ阿佐ヶ谷と経営者を同じくする出版社。だが、その経営者である才谷遼氏は、日本のオタク史の暗部を象徴する人物である。
これまでも、才谷氏と対立した社員が一斉に退社し、業務が停止する事態が発生。さらには、退職を申し出た社員を辞めさせず、揚げ句の果てには罵倒して自殺に追い込む事件も起きている。さらに、ラピュタ阿佐ヶ谷では、才谷氏の社員いじめに対して労働組合が結成されたが、これにも才谷氏は反発。劇場で行列している客の前で、社員を罵倒し、しまいには「ボクの劇場が共産党に乗っ取られる」と客に泣きついたこともあるという(なお、才谷氏自身が80年代から反原発を訴えており、一部で左翼といわれている)。
80年代から、才谷氏を知るある出版関係者は語る。
「彼は昔から問題の多い人物ではありましたが、早くからマンガ批評誌を発行するなど、業界に貢献している面もありました。“いいこともやっている”から、表立っての非難はやりにくかった。でも、既に社員の自殺や労働争議から10年以上たっているのに、また、こんな事件を起こすとは……」
歪んだ人間がトップに立ち続ける限り、組織の歪みは拡大するばかりなのか?
(文=大居候)
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