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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『QUEEN』“的外れ企画”の正体

竹内結子『QUEEN』の大失敗……ネット炎上参加者に迎合する“的外れ企画”の正体

■ネット世論に迎合しているつもりなんでしょう

 第1話から一貫して描かれるのは、Twitterなどに書き込まれるネット世論がクライアントに与える影響や、そのネット世論をコントロールしようとする氷見弁護士たちの策略です。

 ドラマは、ちょっとしたことで炎上したり右往左往したりするネット世論を小馬鹿にした感じで描きつつも、その影響力を「巨大である」と認識しているようです。

 そう考えると、この妙ちくりんなドラマの正体が見えてきます。竹内結子や斉藤由貴の立ち位置や考え方が、SNSで過激な発言をしている人たちと同じなんです。勇気を振り絞ってセクハラ被害を告発したら「売名行為だ」と誹り、テレビのワイドショーで女の子が泣いてたら「計算だろ」「あざとい女だ」と嘲笑します。モチーフも“ネット炎上ネタ”ばかり。今夜放送の第4話は「子連れで議会に参加する議員さん」。またまた炎上ネタです。

 つまりこのドラマが獲得しようとしているのは、ネットを炎上させている人たちの共感なんです。実に驚くべきことに、テレビドラマの主たるターゲットが、炎上参加者なんです。

 なぜ驚くべきかといえば、炎上参加者なんて、人口比でいえばごく少数だからです。デジタルリスク総研に掲載された記事(https://www.eltes-orm.com/feature/id1658/)によれば、ネットユーザーの1.1%に過ぎないといいます。

 その1.1%が喜びそうなことを必死でやった結果、私たちがネットの炎上事件を見て「嫌だなぁ」と思うのと同じ感情が、このドラマを見ているときに浮かんできます。竹内結子の一挙手一投足が、とにかく「嫌だなぁ」と感じる。「別に関係ないけど、すごく嫌だなぁ」と、目を逸らしたくなる。こんなの、稀に見る大失敗企画だと思いますよ。

 だいたい炎上ネタなんて鮮度がすべてなわけで、参加者だってタイムリーに騒ぐから楽しいんじゃないんですかね。ドラマで過去の炎上ネタを持ってきても、もう炎上させた本人たちだって忘れてるんじゃないですかね。結果、古い炎上ネタで騒ぎながら、最後には「炎上」や「炎上に振り回されること」について正論で説教するわけですから、そんなの誰が喜ぶんですかね。

 それに、日常的にネットを炎上させてる1.1%の人たちって、そもそもフジテレビを見ないんじゃないですかね。どんな番組でも「フジテレビだから見ない」っていう人たちですよね。そんな人たちに向けてドラマを作って、いったい何がしたかったんでしょう。何と戦っているんでしょう。

 フジテレビは、ネット炎上参加者に例の炎上デモをやられて、それが原因で視聴率が下がったと思ってるんでしょう。それは誤解だと思いますよ。ネットの炎上に、そんなバリューはありません。単にデモの時期と番組がつまらなくなり始めた時期が重なっただけでしょうし、なんでつまらなくなったかといえば、こんな時流を読めない的外れな企画を通してしまう責任者が存在しているからに違いありません。

 残り何話か知りませんが、今夜の第4話以降は、今ここに書いた“『QUEEN』の正体”についての分析が合っているかどうかの答え合わせになります。そして願わくば、この分析こそが的外れであってほしい。竹内結子の魅力が爆発するような、それでいて誰もが楽しめるドラマに変わっていってほしい。このままじゃちょっと、仕事だから見なきゃいけないんだけど、もう見てられないよ。うう………。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2019/02/05 19:23
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