大人らしい大人とはなんだろう?――ドラマ『初めて恋をした日に読む話』第3話
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(前回までのレビューはこちらから)
学校の先生が主役のドラマには、定番の展開がある。
不良であったり、心を閉ざしていたりする生徒が、初めは反抗するものの、先生の熱意に触れ、信頼を寄せていくというパターンだ。『3年B組金八先生』(TBS系)や、『ごくせん』(日本テレビ系)、『GTO』(フジテレビ系)などもこの流れをふんでいた。
そんな中でキーになるのは、「大人らしくない行動」である。周囲の先生が見放した生徒を、あきらめずに信頼し、立ち直らせようとしたり、自分の思いにまかせて無茶な行動をしてみたりといった姿が、生徒たちの気持ちを変えていくのである。
一般的に言われる“大人”は、自分の感情を抑え、周囲に気を使って生きている。それは仕方のないことだ。無駄な労力を使わず、楽に生きるための知恵だから。ただ、周囲との軋轢を恐れず、後先のことを考えずに、思いのままに行動する、そんな“子どもじみた”部分も、時には必要なのだ。
GTOの鬼塚も、ごくせんのヤンクミも、金八先生だって、子供じみたところがあった。でも、それでいいのである。ドラマの中とはいえ、結果的に彼らは生徒たちの心を掴んだのだから。
ドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)第3話。今回は、大人と子ども、それぞれの思いが交錯する展開となった。
東大合格を目指す匡平(横浜流星)の指導法に悩む順子(深田恭子)は、同僚のカリスマ講師・勅使河原(髙橋洋)に相談する。しかし、現実的に合格は無理だということ、そして、万が一合格の可能性があるとしても、そのためには国語と英語を強化しなければならないことを論理的に説明されただけだった。
国語と英語の重要性を知った順子は、古文の授業に力を入れる。そこには、匡平にアプローチをする女子高生・美香(吉川愛)も同席していた。
順子に思いを寄せる従兄弟・雅志(永山絢斗)は、社内で「東大出のおぼっちゃん」と揶揄されたことで意地になり、新たなプロジェクトを引き受けてしまう。順子とデートする約束を取りつけていた彼は、時間を作るため、毎日無理をして仕事をこなすことになる。
順子に比べれば、十分大人のように見える雅志も、どこか子どもじみたことをしてしまうのだ。ムキになって仕事を増やしてしまったり、照れてしまって順子にうまく想いを伝えられなかったり。でも、そんなところが人間的で、魅力があるようにも思える。
匡平に対し、「普通のやり方では合格は難しい」と感じた順子は、友人・美和(安達祐実)の意見も聞こうと、相談をもちかける。しかし、そこでは「仕事もいいが、婚活も同時にした方がいい。昔からの知り合い男子はどうか」とアドバイスされるのだった。
その時、店の前を美香が通りかかり合流、自身の過去の恋愛について語り始める。中学の時、家庭教師の男性と付き合ったが、相手に裏切られたことがあったという。そんな思いを吐露した後、彼女は言う。
「大人って、全然大人じゃないんだな」
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