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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 正直者みやぞんと、ウソつきクロちゃん

正直者みやぞんとウソつきクロちゃんと、指原莉乃のパラドックス

クロちゃん

■クロちゃん「(ZOZOTOWNの)前澤さんに100万円もらった夢」

 対して、あからさまなウソつきに見える人の急先鋒は、クロちゃんだ。『水曜日のダウンタウン』(TBS系)でその虚言癖が白日の下にさらされてから、他の番組でも「ウソつき」としての出演機会が増えている。

 そんなクロちゃんが、21日放送の『名医のTHE太鼓判!』(同)に出演していた。過去に同番組の検査で脳動脈瘤、つまり脳内の血管のコブが発見され、余命3年と宣告されたクロちゃん。この日の放送では、その動脈瘤を取り除くための手術を受ける様子が伝えられた。

 4日前から入院し、手術に備えていたクロちゃん。誰もお見舞いに来ず、寂しい気持ちを吐露するといった場面もあった。しかし、手術当日、両親がやってくる。広島の実家からわざわざ上京した両親を前に、クロちゃんは自身のふがいなさを口にする。

「それこそ温泉旅行とかさ、旅行でさ、親孝行でどっか連れてくみたいな感じでね、東京来てもらうんだったらいいけどさ、オレが入院してさ、来てもらうって……(泣)」

 自身の親不孝ぶりを涙ながらに語るクロちゃん。それはまるで、これまでの素行を懺悔しているようにも見えた。

 けれど、そんな息子の言葉を聞いた母親は即、次のように言い放つ。

「演技うまい」

 母親に続き、父親もまた「ウソつきじゃけ」と追い打ちをかける。「ホントに涙出てるのに!」と訴えるも、両親からも演技だ、ウソつきだと指弾されるクロちゃん。その姿を見て、こちらも思わず涙が出そうになった。ウソだけど。

 さて、「親よりも先に死んじゃダメだと思うから」「絶対元気になるから」という言葉を残してクロちゃんは手術に向かう。およそ2時間に及んだ手術は無事終了し、動脈瘤は破裂の危険が遠のいた。

 クロちゃんは手術台の上で目を覚ます。夢を見ていたらしい。どんな夢だったのか。そう聞かれたクロちゃんは、麻酔の影響で口調もおぼつかない中、次のように答えた。

「(ZOZOTOWNの)前澤さんに100万円もらった夢」

 余命3年をなんとかするための手術直後に、お金の話。しかも、降って湧いたお金がもらえるという。朦朧としたクロちゃんの顔を捉えるカメラ。そして入るナレーション。

「脳に異常はないようです」

 手術直後にちゃんと会話ができたことをもって、「脳に異常はない」ということなのだろう。けれど、何か別の異常さを感じずにはいられなかった。というかこのナレーションも、医療・健康番組として番組を見たい人には「脳に異常はない」とストレートに聞こえるように、クロちゃんを面白がりたい人には「別のところに異常がある」あるいは「まだ脳に異常があるんじゃないか」と邪推させるようになっていて巧妙。

 話は最初に戻って。指原の件で、「さっしーすごい」というようなことを書いた。さて、これは私の本心でしょうか? それともウソでしょうか?

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

飲用てれび(テレビウォッチャー)

関西在住のテレビウォッチャー。

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いんようてれび

最終更新:2023/02/27 19:43
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