専門誌も売れない時代……平成と共にどれだけの雑誌が終わるのか?
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ついに専門誌も売れない時代か。先日、デザイン雑誌『MdN』(エムディエヌコーポレーション)が紙媒体での発行を取りやめてウェブメディアに移行することを発表し、注目を集めた。
1989年に創刊された同誌は、サブカルチャーに関する特集も数多く掲載。デザインを本業とする人だけでなく、多くの読者を得ている雑誌とされてきた。こうしたスタイルの雑誌も休刊となる状況は、まさしく雑誌というメディアがひとつの時代を終えたことを象徴しているといえる。
いま、雑誌の中でもっとも危機的状況にあるのは一般週刊誌や週刊マンガ雑誌だ。2000年代初頭から、団塊世代が退職すれば需要はグンと減るという指摘はなされてきた。けれども、スマートフォンの加速度的な普及によって、需要は予想以上に落ち込んでいる。
「どこの媒体もウェブで無料配信するのが当たり前になってきていますが、収益としては厳しい。単行本にならなければ、利益は入ってこないからです。よその媒体もウェブで無料で見せているからうちもとやっているわけですが……正直、将来はどうなるのかわかりません」(マンガ編集者)
読者層の広い雑誌がシェアを減らして休刊になることがあるとしても、コアな読者を対象にした専門誌は、まだ維持されるのではないか。そんな希望も今回の『MdN』の休刊で打ち砕かれようとしている。
「釣りであるとか、音楽であるとか、コアな読者がいそうな専門誌は、まだたくさんあります。でも、買っていくのは中年以上の人ですね。とりわけ音楽雑誌は、若者に人気のあるグループが登場するような雑誌以外は、どんどん年齢層があがっています」(書店員)
もはや、どの分野も情報を入手する手段は、まずネット。そこから詳しい情報を得ようとすれば、一足飛びに書籍となる。雑誌の入る余地はもうない。
今年は、またどれだけの雑誌が休刊するのか。
(文=大居候)
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