『家売るオンナの逆襲』ネカフェ難民はクズばかり? 北川景子、孤独死や住居の多様性に鋭いメスを切り込む
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このところよく耳にするようになった“ダイバーシティー”という言葉。ダイバーが集まるリゾート地ではなく「多様性」という意味なのですが、今回は不動産業界におけるニーズの変化がテーマとなりました。
終身雇用が当たり前だった前世代の日本においては、「哀れ」とまではいかなくとも、庭野が言うように一戸を構えるのが一般的だったことでしょう。しかし、非正規社員の急増やインターネットの普及による働き方の変化などを踏まえれば、たしかに留守堂が説いたように、住居に関してもさまざまな価値観が求められる時代になってきたのかもしれません。
とはいえ留守堂もまた、ネカフェを“宝の山”とみなして営業するために利用していただけなんですけどね。万智と留守堂を見ていますと、不動産業界に導入されたAIロボットなのではないかと疑ってしまいます。
とりあえずゴリ押しで家を売ることをプログラミングされたプロトタイプが万智だとするならば、留守堂は顧客の気持ちに寄り添う能力を付与された改良版。万智が留守堂に対抗心を燃やす様子は、旧式が新式の登場に焦りを抱いているかのようでもあります。
その万智は今回、ネカフェ難民をクズ呼ばわりしましたが、実は高校生の時に父親の借金のせいでホームレスをしていた過去があるんですね。そんな背景があるからこそ、そこで暮らす人々の心を鋭いメスで切り刻むような暴言を吐いてしまったのでしょう。
ネカフェ難民に対しては辛辣な態度をとった万智ですが、性の多様性については進歩的な様子。留守堂への淡い想いに戸惑う足立聡(千葉雄大)に対して、異性だろうが同性だろうが愛し合うメカニズムは同じ、というニュアンスの言葉をかけていました。次回はLGBTがテーマとのことで、繊細さが求められるこの題材をどのような切り口で描くのか、万智の歯に衣着せぬ発言も含めて楽しみです。
(文=大羽鴨乃)
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