「女性をモノ扱い」で謝罪も……SPA!の「ヤレる大学ランキング」を、元名物編集長はどう読んだ?
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
だが、矢は思わぬところから飛んできた。海外生活の長い女性にとっては見逃すことのできない記事だった。
過去の記事も蒸し返され、女性を蔑視している雑誌だとの烙印を押されたのである。
同様の批判は、ヘア・ヌードを毎週掲載している現代やポストにも向けられるかもしれない。
かつてのように、不倫している芸能人ばかりではなく、大企業のサラリーマンや大学教授、政治家、役人のところに彼女たちが押し掛けるということが起きるかもしれない。
安倍政権はあらゆる分野で女性が活躍してほしいといっておられる。「中ピ練」で失敗した教訓を生かし、女性蔑視、差別、格差を是正するため、この運動を、一雑誌編集部の問題で終わらせるのではなく、日本が真っ当に女性を尊敬し、崇める国にするきっかけにして欲しいものである。
私は今、現代編集長でなくてよかったと、つくづく思っている。
今週のスキャンダルその1。その主人公は、英国の大学を出て、一昨年9月に45歳の若さで「東大教授」になったピカピカのエリートである。名を坪井貴司(46)という。
「広域科学専攻・生命環境科学系の教授にふさわしい」と、東大教養学部のHPに記されているそうだ。
新潮によれば、彼は大学時代の同級生の女性に「今はバツイチで独身。いい人がいたら紹介してくれ」と再三せがみ、大手航空会社の美貌の40代CAを紹介してもらったそうである。
彼女のほうは、結婚して子どもを産みたいと切望していた。坪井とは「結婚を前提としたお付き合い」だと信じていたが、実は坪井は既婚者であった。そのことを隠して、不倫へとひた走ってしまったというのだ。
だが、こんなことが長く続くわけはない。ついに教授は、自分は妻子持ちだということを打ち明けることになる。驚き不実を詰られたのだろう、坪井教授は彼女に「謝罪文」を書くのである。
内容は、妻子持ちであることを隠して付き合ったことを詫び、今後彼女が結婚して家庭を持ち、子どもをもうけるまで全面的にサポートしていくとある。
だが、その後、坪井教授と連絡が取れなくなり、誠意を示さないままだという。
新潮が話を聞きに坪井の家を訪ねると、どういうわけか、彼の妻が出てきて「答える」というのである。妻いわく、「私は夫が世のため人のためになると確信しています」。さらに、CAを紹介した女性から「精神的打撃と友人の信頼を喪失」したと損害賠償請求訴訟を起こされているため、係争中なので出すわけにはいかないというのである。
妻の鑑である、と私は思う。こんな女房がいたら私の人生ももう少しましなものになっていたと思う。妻のいい分は、夫は彼女にいい寄られて困っていた、相手のプライドを傷つけまいとしているうちに事態が進んでしまった、謝罪文は切羽詰まって書かされたものだというのである。
亭主の東大教授という高級ブランドを守り抜くという強い意志が窺える。だが、いい年をした男が、押し入れに隠れて、女房に尻拭いしてもらうというのでは、あまりにも情けない。自らが一人の女性の生きる環境を壊して、学生にどの面下げて、何を説こうというのか。
さて、16年の文春砲はベッキーの不倫で幕を開け、17年はなかったが、去年は「フジ秋元優里アナ『荒野のW不倫』」、2号目で「小室哲哉“裏切りのニンニク注射”」というスクープをかっ飛ばした。
今年は昨年の紅白に初出場した5人組「純烈」メンバーの「凄惨DV」と「3000万円使い込み」スキャンダルが初荷である。
紅白といえば、紅組司会をやった広瀬すずの評判が悪い。何しろ欅坂46の曲が終わる際に「乃木坂46のみなさん有難う」とやってしまったのだから、救いようがない。
「純烈」は平均年齢40歳。2007年にデビューしたが、鳴かず飛ばずでレコード会社からクビにされた。それでもへこたれずに健康ランドやスーパー銭湯を回り「夢は紅白 親孝行」をキャッチコピーに、オバちゃんたちのアイドルになり、悲願の紅白出場を果たしたのだ。
彼らが歌った「プロポーズ」を紅白で初めて聞いた。われわれ世代には懐かしい「昭和ムード歌謡」である。黒沢明とロス・プリモスや鶴岡雅義と東京ロマンチカのほうはがはるかにうまいが、オバちゃんに受ける理由はわかる。
このメンバーの1人、友井雄亮(38)は、10代の頃は関西ジャニーズJr.に在籍していたそうだ。その後、俳優に転身して『仮面ライダーアギト』などに出演したがパッとせず、フリーになり、映画で共演した女優と結婚し女児をもうけたが、08年に離婚している。
離婚する前の年に「純烈」に参加したが、独り身になった友井は、芸能関係者の30代A子と同棲生活を始めた。
近隣住民は、昼間は仲睦まじそうに見えたが、夜になると彼の怒鳴り声や彼女の「怖い、怖い」という悲鳴が聞こえてきたそうで、警察が来ることもあったという。
浮気を繰り返す友井に、A子が不満を漏らすと、怒鳴る、殴るなどの暴力を振っていたが、ついにはA子に大けがを負わせ、さらに、子どもはつくらないという約束だったのに、妊娠させ、その上、流産させてしまったというのである。
文春が入手した16年5月に作成された「誓約書」(友井の署名と指印がある)には、「(A子の=筆者注)その傷ついた体と心に輪をかけるように『逆によかったやん』といたわる事もせず、ひどい言葉で深く傷つけてしまいました」とあり、今後一切、A子と接触しないよう約束すると書いてあるそうだ。
さらにA子と同棲している時期に、関西在住の元恋人で40代のB子とも付き合い、彼女を東京に呼び寄せ、将来は一緒になる約束を交わし、B子は近所の一軒家を購入することを決めていたそうである。
だが、競馬好きの友井は、彼女の口座から競馬代など、3年間で3000万円を越えるカネを黙って引き出していたという。
ポップスが歌謡曲といわれていた頃には履いて捨てるほどよくあった話だが、スーパー銭湯のアイドルのままだったら、文春も取り上げなかっただろう。紅白に出たが因果だと、友井は悔やんでいるかもしれない。
文春が発売された2日後、友井は謝罪会見をし、芸能界を引退するといった。
「週刊文春(1月17日号)で複数の女性とのDVトラブルを報じられたメンバーの友井雄亮(38)が11日に会見し、体が床に直角になるくらい、深々と頭を下げた。友井は文春報道を認め、『純烈を脱退し、芸能界を引退します』と涙を流した。
メンバー5人が全員揃った会見ではなく、友井1人ぼっちの会見だった。
友井は疑惑の持ち上がったA子さんへのDVに関しては『もともと怒りっぽい性格なんですけど、そこに抑える自分の強さがなかったんだと思います』と認めた。
本誌が会見でどんなDVだったのか問いかけると、『殴ったり、蹴ったり、相手を思いやる気持がなかった。また傷を痛めて、ひょっとしたら入院したということになったのかもわかりません』などと、抑えられないかったDVへの衝動を語った。
『A子さんに関しても、B子さんに関しても、やっぱり、これから先もなんですけれども、負わしてしまった傷だったり、精神的なものだったりということは一生終わらないことだと思ってます』と反省した。
また、同棲していたB子さんの貯金3000万円を使い込み、うち半分以上は競馬に使っていたという。
『1日に30万円すった日もありました』と、負けを取り返そうとしてさらに泥沼にハマったことを明かした」(AERAdot.1月12日より)
潔いようにも思えるが、以前にも、引退同然のことをしているから、ここで少し世間の冷たい視線から逃れて、ほとぼりが醒めてから、また戻ろうと考えているのではないのか。
オバちゃんたちの引退しないでおくれという署名が3万人近く集まったという。こういう「情け」が、こうした人間をつけ上がらせ、同じ過ちを犯すことになりかねない。
これから彼は、全国銭湯女湯懺悔の旅でも始めたらどうか。オバちゃんたちの背中を流す三助でもやれば、ご祝儀が結構集まるかもしれない。
【付録】
今酒はポストだけだが、合併号だけに盛りだくさんではある。
「大江麻理子『40歳は“不惑ワクワク”です』-スペシャルインタビュー」。もちろんヌードではない。
「池岡星香<魅せた!>はじめての美尻-お天気お姉さんが美ボディを披露」「なをん/和久井雅子-人は平成最後の愛人と云う」
袋とじは鳥居清永の「傑作春画『袖の巻』<全12図>復刻プロジェクト」。陰毛の描き方には彫師も摺師も力量が試されるそうだが、なるほどな。
「『妻の名は塔子』シリーズでおなじみ<並木塔子>が雑誌の上で動き出す!」。お馴染みになってきたARである。
「女優だから、濡れた/昭和と平成で濡れ場はどう変わったか?」。袋とじ「一般女性11人女性器測定会-衝撃の測定結果は袋とじの中で!」。こういう企画をいつまで続けるのか。もうとっくに飽きられていると思うが。
「ヌード世界一周-見るだけで旅するグラビア」「河合奈保子、グアムの風に吹かれて-お宝写真集がデジタル補正で甦る!」「アグネス・ラムから届いた手紙<秘蔵写真発掘>」
これだけグラビアを作り込む力を、特集に注いだらと、いつも思うのだが。ご苦労さん!
(文=元木昌彦)
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