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週刊誌スクープ大賞

「女性をモノ扱い」で謝罪も……SPA!の「ヤレる大学ランキング」を、元名物編集長はどう読んだ?

 そこには、第二次試験の試験問題が受験生に漏れていた疑いがある。2006年から男子の受験生を優遇してきた。臼井は特定の受験生の親から、「もし入学が許されたら寄付を3000万円用意する」という手紙を受け取っていたという。

 さらに問題は、裏口入学の依頼者は、ある国会議員に対し、受験生の氏名及び受験番号を記したFAXを送っていて、臼井氏がそれを保管していたそうだ。

 当然、この国会議員は誰だと、メディア各社が取材に走り、同大学出身で同窓会の役員を務める赤枝恒雄元自民党代議士であることがわかった。

 赤枝元代議士は悪びれることなく、私学と国立は違う、二次試験で恣意的に合格者を選んだってなにも悪くない、口利きは1年に1人か2人ぐらいだったと新聞に答えている。

 新潮に対しては、誰が受かったのか覚えていない、同窓会関係者は臼井理事長に嫌われていたから、ほとんど蹴っ飛ばされている、寄付金は1000万円は入れてくださいと同窓生にはいってきたと話している。

 私大にはよくある話だが、毎年、推薦枠を作り、入れてやった学生の親たちから高額な寄付金を取ることが常習化していたことは間違いない。そこにハイエナのように政治家がたかる。

 現代やポスト編集部に頼みたい。「行ってはいけない病院ワースト100」というのをやってくれないか。裏口、多額の寄付金が常習化しているということは、そこにいる医者の質も知れたものだと思う。医療過誤で死なないための病院選びは、患者がぜひ知りたいマスト特集だと思うが。

 さて、SPA!が掲載した「ヤレる女子大学生ランキング」に、女性たちから非難の声が上がり、編集部が「読者に訴求したくて煽情的な表現を使ってしまった」と謝罪した。

 私は、新聞広告で見たような気がしたが、それほど気にはならなかったので、当該の記事を読んでいなかったし、これほどの「大事件」になるとは思っていなかった。

 私のところにも毎日新聞から取材が来たので、記事を読み、考えてみた。

 たしかにホメられた表現ではない。だが、SPA!はもともとサブカル系雑誌で出発し、この手の話をこれまでも山ほどやってきた雑誌である。おそらく読者のほとんどは男だろう。

 編集部に「女性蔑視」「女性をモノ扱い」しているという強い偏見は、おそらくなかったのではないか。編集部の肩を持つわけではないが、そうした意識があったら、こうしたタイトルは付けないと思うからだ。

「女性とヤリたい」といういい方自体は昔からあったと思うが、人口に膾炙したのは1994年に発売されたホイチョイプロダクションの『東京いい店やれる店』がベストセラーになったころからであろう。

 私は現代の編集長だったが、やられたとおもった。直截で男心を掴む強いタイトルだった。

 一緒に一夜を過ごしたいと焦がれている女性を、どういう店に連れていけば、その気にさせることができるのか。

 男にとってはある種、人生最大の賭けのようなものである。決して女性をモノ扱いしているのではない。この手の話は、小説でも映画でも腐るほど描かれてきた。

 いくつになっても、男にとって女性は憧れの対象なのだ。もちろんどんな女性でもいいというわけではないが。

 男同士の間では、「あの子ヤレるかな」という会話は最大の関心事といってもいい。編集部は、その層へ向けて発信することを考えて企画を立て、彼らの関心を引くような強いタイトルをつける。

 だが現代は、ネットで記事のコピーがあっという間に拡散される時代である。今回署名に賛同した女性たちで、雑誌を買って読んでいた人は少ないのではないか。

 このタイトルはけしからん、女性をなんだと思っているのだという「正論」の旗手が現れれば、同調者はあっという間に膨れ上がる。

 そこに、大メディアが乗っかり、SPA!をつるし上げろ、休刊に追い込めという空気が作り出される。

 私には既視感がある。70年代の初め、ウーマンリブ運動が盛んになった時、ピンクのヘルメットをかぶって、中絶禁止法に反対し、ピル解禁を要求する女性解放連合、略称「中ピ連」の代表だった美人の活動家がいた。

 彼女たちは不倫している男の会社に押し掛け、つるし上げるなどの過激なやり方がマスメディアに取り上げられ、一躍スターになった。

 だが当時のピルは副作用が大きく、また、彼女が製薬会社と関係があるなどというウワサが流れ、運動は下火になり、彼女も姿を消してしまった。

 今回の騒ぎを見ていて、あの当時のことがふっと頭をよぎったのである。

 今回、編集部の最大の過ちは、読者のことしか考えずにタイトルをつけてしまったことであろう。

 大学から抗議が来るということは考えに入れたかもしれない。だが名誉棄損で告訴されるようなことにはなるまいと、高を括っていたのであろう。

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