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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > バブリーな独裁珍スポ
傍観ライター・清水2000の「韓国珍スポ探訪記」VOL.26

バブリーな独裁アミューズメントパーク「朴正煕大統領生家」

閣下作詞作曲「セマウルの歌」のレコードが鎮座
海底遺跡の報告を受ける閣下(右)のお写真だが、真ん中の人の髪形にしか目がいかない

 中でも圧巻の展示物が「ハイパードーム上映館」だ。360度のドーム型空間にプロジェクター10台で映写するアジア初の最先端技術で、閣下の一代記を上映してくれるのだという。

 私のほか、10人前後のお年寄りたちがわらわらと集まり、やがて上映が始まった。映像はまさに未知の体験。前後左右から景色や文字が飛び出してくるので、どこを観ればいいのかまったくわからない。周囲のお年寄りたちも固まったままだ。

 圧倒されっぱなしの13分は過ぎ、最後の最後に閣下の名言「我が一生、祖国と民族のために」がドカーンと映し出されると、謎の感動が込み上げてきた。

 興奮冷めやらぬまま民族中興館を出ると、向かいにお土産店が。「我が一生、祖国と民族のために」の文字が書かれた置き時計などが販売されており、思わず購入しそうになる。

そして生家へ

 さらに奥へと向かうと、このスポットの総本山、閣下の生まれた家にたどり着いた。その入り口にて、等身大パネルの大統領と夫人がフレンドリーに迎えてくれる演出が憎い。なお、このパネルには撮影時の注意事項として「肩に手をかけない」とあるので、要注意だ(まったくフレンドリーではない)。

 生家の左手には「追慕館」という礼拝所があるが、16年に放火され、今は新しいものに変わっている。なお放火犯は、13年に盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の生家も放火し、さらに全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領の生家も放火しようとしたこともあるという。大統領生家放火フェチか。

 閣下の生家はかやぶき屋根の住まい。1917年に生まれ、20歳まで過ごした当時そのままの姿ではなく、64年に改装されているためリアリティはない。なので、ここが勉強部屋だと言われても微妙ではある。

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