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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > バブリーな独裁珍スポ
傍観ライター・清水2000の「韓国珍スポ探訪記」VOL.26

バブリーな独裁アミューズメントパーク「朴正煕大統領生家」

でかいよ

 60~70年代に大統領を務め、韓国の高度経済成長を成し遂げた朴正煕(パク・チョンヒ)。その業績から「半神半人」と崇められる一方で、軍事政権を率いた独裁者とも酷評される、何はともあれ韓国ぶっちぎりの偉人である。

 そんな元大統領閣下の故郷である亀尾(クミ)市は、国内有数の保守派タウンであり、ネット民からスターリングラードとかけて「朴正煕グラード」とも呼ばれている。その街に、閣下の生まれた家がバブリーな様子で公開されていると聞き、足を運んだ。

 亀尾駅でタクシーに乗ること15分。「朴正煕路」と名付けられた広い道路をまっすぐ進むと、駐車場の整備された大きな公園が現れた。ここが「朴正煕大統領生家」だ。

 最初に目に飛び込んできたのは、手書きのメッセージと大量の国旗を掲げる、駐車場の脇の怪しげなテント。正煕の娘であり、2017年3月に収賄罪などで逮捕された元大統領・朴槿恵(パク・クネ)の釈放をスピーカーで訴える極右団体だが、そこにはお年寄り数人の姿しか見えず閑散としている。時期が時期なら大変盛り上がっていたことだろう。

生家への入り口。大統領の推進した所得向上運動「セマウル運動」を形にした銅像に、朴正煕ファンのお年寄りたちは胸を熱くする

 食事処である韓国家屋を左手に見ながら歩道を進むと、現れたのが「民族中興館」。現代美術館を思わせるモダンな建物だ。ちなみに、民族中興館の建設費に58億ウォン(約6億円)が使われているという。

 中庭の真ん中には、大統領閣下と一緒に握手をしたりマッコリを飲んだりできる、浮かれたトリックアートが立っている。トリックアート大国、韓国ならではの風景である。

韓国珍スポのトレンドは、顔ハメよりトリックアート
民族中興館に入館。なんだこれ

 建物に足を踏み入れると、制作費だけは無駄に高そうな巨大なオブジェが登場! 逆三角形の部分にホログラムの大統領閣下が浮かび上がり、本物みたいに動くからちょっとしたSFだ。こんなものが自宅の寝室にあったら結構つらい。

 館内には閣下の私物や業績を紹介するコーナーが。閣下のお顔をモチーフに作られたという「へえ」としか言いようがないアートを眺め、フォトコーナーで閣下との合成写真を作ってもらう。

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