2019年、第2の『カメ止め』になりそうな“大穴”はどれだ!? 国内インディーズ映画を先取りチェック
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ほぼ無名の監督とキャストが製作費300万円で撮り上げたことで話題となった映画『カメラを止めるな!』。都内2館で上映スタートしたこのインディーズ映画は、SNSや口コミで人気に火が点き、興収31億円超えの大ヒットを記録する社会現象となった。『カメ止め』と同じく“ワークショップ”スタイルで製作された大根仁監督のヒット作『恋の渦』(13)は、製作費がわずか10万円だった。もはやメジャーな映画会社でなくても、また大予算を投じずとも、企画次第で面白い映画を作ることは可能なことが実証された。では『カメ止め』に続く、大化けしそうなインディーズ映画はあるのだろうか。2019年期待の新作映画を探ってみよう。
映画館を爆笑の渦に巻き込んだ『カメ止め』と同様に客席が熱く盛り上がりそうなのが、『緊急検証! THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』だ。CSファミリー劇場の名物番組『緊急検証!』を国内外のロケを交えてスケールアップさせた劇場版であり、オカルト番組を愛するマニアたちから“クラウド・ファンディング”として製作費245万円を調達することで完成に至っている。
オカルト雑誌「ムー」(学研プラス)でもおなじみ、ネス湖の幻の怪獣ネッシーの生存を確かめるために英国にまで現地取材を敢行し、さらに五島勉の日本語訳によって空前の大ベストセラーとなった『ノストラダムスの大予言』を新たに解釈、そして1970年代に超能力ブームを巻き起こしたユリ・ゲラーを越える新しい超能力者を探し出そうという、まず地上波テレビでは扱わない面白すぎるネタばかり。登場する“オカルト三銃士”は観客の興味のツボをピンポイントで攻めてくるので、「初笑いは映画館で」という人たちにオススメの爆笑エンターテイメント作品となっている。
最近のヒット作は、SNS上で話題が広がることが大きな決め手となっている。ネットユーザーとの親和性という点で期待されるのが、「au」のCMでおなじみの松本穂香が主演した『アストラル・アブノーマル鈴木さん』。実写ドラマ版『この世界の片隅に』(TBS系)でブレイクした松本が、地方在住の痛~いユーチューバーを演じた社会派コメディとなっている。YouTubeで配信された短編ドラマ全17話を上映時間87分のドラマに再編集したディレクターズカット版で、若き演技派女優・松本は『この世界の片隅に』の健気な人妻すず役とは180度異なる毒吐きキャラに挑戦し、レアな魅力を放っている。
松本の新しい一面を引き出した大野大輔監督は、主演も兼ねた痴話ゲンカコメディ『ウルフなシッシー』(18)で劇場デビューを果たした新鋭クリエイター。閉塞的な社会でやさぐれながら生きる若者たちの描き方に、独特の味わいを感じさせる。YouTubeから生まれた新感覚ドラマが、劇場でどのように受け止められるのか注目したい。
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