楽器代6万円、卒園イベントで8万円徴収……「認定こども園」は悪徳風俗並みのボッタクリ!?
子ども2人を都内の認定こども園に通わせる先の父親は、ため息をつく。
「月額の利用料は、保育所とそれほどの開きはありません。ただし、通園送迎費・食材料費・行事費などさまざまな名目で、平均して月2万円を超える諸経費が追加で徴収されるため、結果的に結構な出費を強いられてしまうのです。さらに気が重いのが、種々のイベント。運動会のほかに歌の発表会などもあり、そのたびに数千円が徴収される。きわめつきは卒園時に催される謝恩会で、なんと8万円もかかるというんです。過去の謝恩会の内容を聞いても、とても8万円もかかるようなものではなく、園の利益になっているとしか思えない。まるで悪徳風俗のタケノコはぎ詐欺ですよ(苦笑)」
ちなみにこの父親が通わせる認定こども園は、もともと情操教育に力を入れていることで有名な私立幼稚園。バレエやバイオリンといった、保育時間外の“習い事”が充実していることから、遠方から通わせる富裕層の保護者も多かった。しかし、認定こども園移行後に入園した非富裕層の家庭の園児にも、こうした習い事の受講が半ば必須になっているという。
「幼稚部の親と保育部の親は、明らかに身分が違う。高級外車で乗り付ける幼稚部の親を尻目に、われわれ保育部の親は、子どもを自転車の座席に乗せて送り迎えする。子どもは大人の事情などお構いなしですから、周囲の子どもを見て『習い事がしたい』と言えば、やらせるしかない。保育料以外に月々約4,000円の出費となり、習い事に使う楽器代として、6万円徴収されたという。
この園の銭ゲバぶりは、認定こども園の中でも特に顕著なケースといえるかもしれない。しかし、認定こども園の施設利用料の不明瞭な体系については、広く問題視されている。
「認定こども園では、片働き家庭が『1号認定』、共働き家庭が『2号認定』と親の就労形態によって扱いが異なり、自己負担額も収入の多寡や家庭環境によって変動する。当然、共働き家庭(2号)は、幼稚園のみ利用する片働き家庭(1号)に比べて利用時間が長くなり、単位時間当たりの自己負担額でも多くなってしまうケースが多い。つまり、子育て支援と言いながら、育児の負担がより大きい共働きのほうが損をするという矛盾が放置されているんです。そもそも待機児童などの問題を根本的に解決するなら、保育園を増やせばいい話なのですが、政府は保育園増設に積極的ではない」(前出・大手紙記者)
認定こども園の増加の背景には、片働き家庭の減少による幼稚園の苦境が関係しているとの指摘も多い。事実、経営難に陥った幼稚園が、認定こども園にくら替えした例は数多い。
さらに、認定こども園の増加を奨励した安倍政権の子育て支援策には、自民党の文教族議員の意向が強く働いたという疑惑も根強い。
「安倍首相の出身母体である『清和会』には森喜朗元首相や下村博文元文科相ら、文教族の実力者が多い。政権中枢の麻生太郎財務相も大物文教族議員として知られている。認定こども園を増設することにより、寡占化によるうまみが大きい保育所の利権確保と、幼稚園の救済を同時に達成できるのです」(同)
一番の被害者は、権力者たちの思惑に翻弄される子どもたちだろう。
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