南青山「児相」騒動……さらに恐ろしい“南青山内ヒエラルキー”ってナンだ!?
児童相談所の建設計画に一部地元住民が反対している東京都港区南青山の騒動。説明会では、「ネギ1本買うのも紀伊国屋(超高級スーパー)」「このあたりのランチの単価は1,600円」など、選民意識丸出しのフレーズが飛び出したと伝えられているが、これで驚くのはまだ早い。せいぜい1.5平方キロメートルほどしかない「南青山」という住所の中にも、厳然たるヒエラルキーが存在するのだ。南青山からほど近い地域で育った40代の男性・Yさんが語る。
「一連の騒動ではブランド云々という表現が取り沙汰されましたが、南青山の中でも超高級住宅街はほんの一部です。南青山は1丁目から7丁目までありますが、1丁目はもともと団地ゾーンですし、2丁目は面積の大半が青山墓地なので“高級”というイメージとは少し違います。また7丁目というと、付近の住民が思い出すのはオウム真理教東京総本部です。もう20年以上前の事件ですが、教団の幹部がビルの前で刺殺された事件は、今も地元住民の忌まわしい記憶として留められています。地元育ちの人間の感覚としては、住まいを聞かれて『南青山』と答えるのは、3丁目から6丁目の住民でしょう。そのゾーンでは、面した道路が1本違ったり、番地が1つ変わるだけで序列が変わる細かいマウンティングが存在します。児相の建設計画場所は、そのマウンティングの頂点に近い場所なので、あのような声が上がったのでしょう」(Yさん)
児童相談所が街のブランドイメージを損ねるという主張には、専門家もそろって首を捻っているが、そもそも“高級住宅街”という呼び方に違和感を覚えるというのは不動産関係者だ。
「表参道駅から近いあのゾーンは、かつては静かな住宅街でしたが、裏道にどんどんお店ができて、買い物客や荷捌きのトラックで常にざわついており、高級住宅街らしい落ち着いた雰囲気はありません。今回計画が持ち上がった5丁目は、南青山の中でもとりわけ地価が高い地域なので、『なぜ、わざわざあそこに?』とは思いましたが、プライド云々を語るのは違うなと思いました」(不動産関係者)
一方、教育系を専門とするライターはこう語る。
「騒動後のインタビューでは、『騒ぐ人は子どもを公立に入れる人。(あの地域では)私立やインター(ナショナルスクール)に行かせる親が多い』という発言がネットで注目を集めましたが、これは明らかにピントがずれています。確かに世の平均と比べれば、私立やインターに通わせる親の割合ははるかに高いでしょうが、同地区の児童が通う区立青南小学校は、都内の公立小学校の中でも番町、白金と並ぶ名門で、『ここに通わせたい』という理由で引っ越しをする人もいるほどです。『公立に入れる人……』という発言は、その地区に何年住んでいようが、その地域や住民のことをわかっていないということを、図らずも露呈したのではないでしょうか」(教育系ライター)
児相が予定通り建つかどうかは未定だが、騒動が街のブランドイメージを著しく毀損したことだけは間違いなさそうだ。
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