DA PUMPはデビュー当時から“ダサかっこいい”路線だった!? m.c.A・Tの敏腕プロデュース力
#DA PUMP #平成J-POPプレイバック!
そして彼はヒップホップやテクノ、ハウスなどの要素をうまく取り入れているわけだが、その切り口が決してマニアックに陥ってない。非常に、というか、過剰なまでにキャッチーであり、ポップだ。ことにm.c.A・T名義では、先ほどのユーモラスですらあるルックスも相まって、下世話に近いほどの大衆性を放っている。
そう。m.c.A・Tこそが、まさに「ダサかっこいい」アーティストだったのではと思うのである。
ただ、この人が秀逸だったのは、自身が富樫明生というプロデューサーの立場になると、その「ダサい」と「かっこいい」の割合をうまく調合していたことだ。つまり富樫は、ことDA PUMPのプロデュースにおいては、「かっこいい」感覚を重視した。90年代にこのグループが放った代表的なヒットソングのほとんどは「かっこいい」=二の線、もしくは研ぎ澄まされたポップ路線である。
たとえば「Rhapsody in Blue」などはギターの音色が開放感を演出しているし。
「Crazy Beats Goes On!」も躍動するビートが気持ちいい。
ビゼーのメロディの引用と歌謡メロディが細分化されたリズムに映えるのは「Com’on! Be My Girl!」。
コブシも回らんばかりのISSAの唄い回しが刺さる「if…」。
いずれの曲も、当時のやや先端を行く(しかし行きすぎていない)サウンドと、富樫(m.c.A・T)独特のアクのあるメロディとが融合している。またラップが取り入れられている曲が多いのも、その頃の「かっこいい」ポイントのひとつか。DA PUMPの楽曲においては、あくまで「かっこいい」ことが重視されてはいるが、富樫はそこにベタな……そう、「ダサい」匂いを混ぜていた。これは巧妙だと思う。
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