小室圭さん、眞子さま、雅子さまの次は“紀子さまバッシング”へ──週刊誌の異様な執着
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
今週の第1位はこれだ。
私は、広河隆一というフォトジャーナリストを知っている。パレスチナ人の苦難やチェルノブイリ原発事故、薬害エイズ事件で被害者側に立って、写真を撮り、原稿を書き続けてきた。
土門拳賞など数々の賞を受賞しているし、3・11以降の福島の子どもたちの保養事業にも力を入れているそうだ。
彼がこの間まで出し続けていた「DAYS JAPAN」という月刊報道写真誌は、もともとは講談社が同名の月刊誌を出していたのだが、ある「事件」が起きて休刊してしまったのを、彼が「もったいない」と、引き継いだ形でやり続けてきたのだ。
彼も75歳だそうだ。こんな形で、晩節を汚すようになるとは思わなかった。
文春で、ライターの田村栄治という朝日新聞にいた人が、広河の「性暴力」を告発している。
彼は、「DAYS JAPAN」で10数年間、毎月1回、編集を手伝ってきたという。
内容が丸ごと事実ならば、残念だが、彼はフォトジャーナリストを続けていく資格はない。
被害女性は「DAYS JAPAN」で仕事をしたい、広河という高名な写真家に教えてもらいたいという若い女性たちである。
それをいいことに、自分の性欲を満たすために、彼女たちを押し倒し、SEXしたというのである。
11年前の杏子さん(仮名)のケース。都内の大学生だった彼女はフォトジャーナリスト志望で、「DAYS JAPAN」でデータ整理などのアルバイトを始めた。
1、2カ月後、「君は写真が下手だから、教えてあげよう」と広河にいわれた。指定された京王プラザホテルへ行くと、電話で、「部屋にあがってきて」と指示される。
彼女は「人権を大事にする偉大なジャーナリスト」と広河を信頼していたという。
だが、その信頼はあっという間に崩されてしまう。
部屋に入るなりベッドへ連れていかれ、恐怖で何もいえない、抗えないままSEXされてしまったというのである。
だが、彼女は、このままで諦めてはだめだ、フォトジャーナリズムを学べるのはここだけだと、仕事を続けた。
だが、また呼び出され、歌舞伎町のホテルへ連れこまれてしまう。
ある時は、編集部で2人きりになった時、背後から抱かれ、トイレに連れ込まれそうになったという。
それを機に、彼女はそこを辞めた。
同じように、ジャーナリストを目指してやってくる女性を次々に毒牙にかけていたようだ。
そうしたことが元で、身体が変調をきたし、うつになってしまった女性もいる。
繰り返し、求めに応じてSEXしたのだから、性暴力とはいえないのではないかという疑問に、齋藤梓目白大専任講師は、当事者に上下関係がある場合、上位の日との誘いを下位の人が断ることは、その世界での生活を失うなどのリスクがあり、難しい。
一度関係を持つと、断ることがさらに難しくなる。性暴力被害者は、自分を責める気持ちが強く、PTSDや抑うつ感が長期にわたって続く傾向があるから、人生への影響が非常に深刻な被害だという。
共通するのは、そうしたSEXを強要した彼女のヌードを写真に撮っていることだ。
田村氏は、そうした女性がほかにも4人いるという。
広河氏は、田村氏に、出入りしていた女性たちと性的関係を持ったことは「いろんな形である」と認めている。
しかし、望まない人間を無理やりホテルに連れてはいかないという。
広河という著名なフォトジャーナリストであるという立場を利用して、性行為やヌード撮影をしたのではないかという問いには、「(女性たちは)僕に魅力を感じたり憧れたりしたのであって、僕は職を利用したつもりはない」。
女性たちは傷ついているという問いには、「僕のせいじゃないでしょ」。
人間の尊厳をカメラに写し取ってきたジャーナリストが、彼女たちへの一欠けらの謝罪の言葉もない。
残念というより、やりきれない思いでいっぱいになる。
【巻末付録】
今週の現代。ポストはヌードグラビアだけ新年合併号という雰囲気がある。
できれば、この万分の一でも、記事に注力してくれたらなと思うのだが。
まずはポストから。「矢田亜希子、白肌の色香-新春特別撮り下ろし」「河合奈保子の『別冊近代映画』が一冊まるごと甦る!!」。
袋とじは「女性器アーティストが『極秘来日』-日本人女性の秘部を撮った」。やはり袋とじ「奇跡の美熟女・岩本和子が雑誌の上で動き出す!-袋とじAR」。
「8330人の女性器写真は語る/日本人女性外性器の構造と機能の全貌」。これはプレゼント企画だな。「週刊ポスト『眼福ヘアヌードカレンダー2019』」「あの大女優が脱いだ!-スクープ撮り下ろし写真がデジタル写真集で復活!」。
デジタルではヌードが強いようだ。なかなかの品揃えだ、覗いてみたら。
現代にいこう。
「女優という人生/竹下景子のすべて-青春時代を思い出すと彼女の顔が」。やはり竹下はいい。とくに、『北の国から』がよかった。
袋とじは「細川ふみえ、独占ヌード完全初公開-社会現象になったヘアヌードから9年」。
袋とじではないが「女優・内田有紀の世界へようこそ-色香を増す彼女が5年ぶりのグラビアに」がいい。大人になったものだ。今度はヘア・ヌードで見たいな。
袋とじ「2019、あなたの初夢週刊現代が叶えましょう-着物でアーレー」。
グラビアは頑張っている。その努力に頭が下がる。質量ともに互角だ。そこで今週は引き分けにする。
(文=元木昌彦)
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