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テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

ブラマヨが”オンエアされやすいボケ”をあえてやらない理由

ブラマヨ吉田

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(12月16日~22日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

■有吉弘行「この迷路からとにかく出たくない」

 何が正解で何が不正解なのか、もはや誰にもわからない時代だ、みたいなことがよく言われる。

 たとえば昨年、「権力を批判しない日本のお笑い芸人と、そんな芸人を戴くテレビはオワコン」と言っていた脳科学者・茂木健一郎が、政治をはじめ時事を絡めたコントや漫才などを芸人が披露する番組『時事ネタ王2018』(NHK総合、12月22日)にコメンテーターとして出演していたのだけれど、番組の冒頭で「ホントにこの番組やっていいんですか? 全部カットってことないですか?」と、いかにもテレビ的な発言をしていた。そんなのを見たりすると、やっぱり何が正解で何が不正解なのかわからなくなる。

 あるいは、19日放送の『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)。「社会に出た人は、みんな社長とかトップを目指すべきなのでしょうか?」という視聴者からの相談メールを受け、マツコ・デラックスと有吉弘行が次のようなことを話していた。

 今の芸人やテレビタレントの場合、そもそも目指すべきトップがなんなのかよくわからない。かつてであれば、BIG3と呼ばれるタモリ・たけし・さんまのようなトップスターがテレビから輩出されていた。けれど、そのようなスターを生む構造は、もはやテレビから失われている。そんな現状のもとでは、トップを目指すというのはBIG3のようになるということを意味しているわけではないだろう。けれど、BIG3とは違った新しいトップの形が示されているわけではない。そんなことを一通りしゃべり、マツコは嘆く。

「ウチらももうよくわかんないわよ、何が正解なのか」

 もちろん、同じ芸能人でも、CDの売り上げなどのランキングが出るミュージシャンや、賞レースに出場する芸人など、数字で明確な結果が出る世界に生きる人たちは、まだ目指すべき場所がわかりやすいのかもしれない。「けれど」と有吉は言う。自分たちのような明確な評価の基準がないところにいる芸人は、何を目指せばいいのか。

「ボクらみたいな迷路に迷い込んだ芸人たちは、どこ目指したらいいのかわかんないよ。この迷路からとにかく出たくないっていう、とにかくそれだけだよ。ツラいけど、こっからは(出たくない)。出たら終わりだからね」

 どこがゴールなのか、その中にいる者にはわからない迷路。いつどこで迷い込んだのかもはっきりしないので、入り口に戻ることも難しい。そもそも、中にいる者は、ゴールを見つけて迷路から出ることを望んでいるわけでもない。ゴールのない迷路の中に居続けることがゴールであるかのような混迷。

 では、芸人たちはその見通しのつかない迷路の中で、どこへ行こうとしているのか? 

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