TBS『消えた天才』が危なすぎる……“過剰演出”で、BPOは大丈夫?
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今をときめくアスリートたちが幼少期に憧れた、もしくは打ちのめされたライバルを紹介する『消えた天才』(TBS系)。不定期での放送を経て、今年10月からレギュラー化された同番組だが、疑問に残る演出が波紋を呼んでいる。12月16日には3時間スペシャルが放送されたが、番組を見たベテランスポーツライターは、過剰な演出に言葉を失ったという。
「スキージャンプの葛西紀明は、人生で最も憧れたジャンパーとして1980年のレークプラシッド五輪出場の秋元正博を挙げましたが、W杯で4勝を挙げた彼を“消えた天才”として扱うのはいくらなんでもどうかと思います。秋元は確かに交通事故を起こして一時期謹慎しましたが、それも2年弱のこと。強豪の日本人ジャンパーが彼以外にいないような表現もありましたが、レークプラシッド五輪では、八木弘和が銀メダルを取っていますし、それもどうかと……。さらに気になったのは、当時の映像です。見ている多くの人は気づかなかったでしょうが、映像にかぶせられていた実況は後からつけたものです。これはTBSの得意技ですが、スポーツの試合映像に後から実況をかぶせるのは、限りなく“捏造”に近い行為ですから、モラル的にどうかと思います」(スポーツライター)
さらに野球ファンの間では、12月2日の放送が話題になっている。週刊誌のスポーツ担当記者が語る。
「12月2日の放送では、“大谷翔平が勝てなかった天才”というコーナーが組まれ、大谷から甲子園でホームランを打った唯一の選手が“消えた天才”として紹介されました。その選手は大阪桐蔭の4番バッターで、放送ではドラフト会議で指名されなかったことが大きくクローズアップされましたが、彼はそもそもプロ志望届を提出していないので、指名されないのは当たり前です。それなのに、野球をやめた理由として、『ドラフトで指名漏れして挫折した』と記されていたのは、明らかに間違いです。本人が出演しているのですから、間違えるはずもないでしょうに」(スポーツ担当記者)
くしくもこの番組は、やらせ問題が騒動になった『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の裏番組。視聴率戦争が激しいのはわかるが、“消えた天才”を無理やりでっち上げていると、こちらもBPO(放送倫理・番組向上機構)に、にらまれることとなりそうだ。
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