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熱血!”文化系”スポーツ部

“ダークヒーロー”力石徹から学ぶ、不祥事続きのボクシング界の「あした」

 井上は、「今のボクシング界ではありえない」としつつ、「そこまでして闘いたいというわけですよね、ジョーと。気持ちはわかる」と語り、八重樫は「トイレの水さえ飲みたくなる渇き」と減量中の飢餓感について解説する。

 そして、この2人よりもさらに味わい深いコメントをしていたのが大橋会長だ。

「死ぬのは怖くない。負けるのは怖い」

という大橋節は、けだし名言。

「闘い合った人間は、わかり合える。2人だけなんです、気持ちがわかるのは」

と語り、四角いリングで闘った2人に芽生える特別な絆について、自身の現役時代の敗戦を振り返りながら熱く語っていた。

 日本ボクシング史が誇る彼ら偉大なチャンプたちが思わず語りたくなる男、というだけで、あらためて力石の株が上がった瞬間でもあった。

 そしてもうひとり、口角泡を飛ばして力石を語ったのが、『あしたのジョーの方程式』(太田出版)なる本まで出している漫画家の島本和彦だ。

 島本によれば、力石こそが矢吹丈にとっての「あした=人生の指針」であり、常に矢吹の「あした」の存在となるべく、常に一歩先を歩んでいたという。

 そんなボクシング界の「あした」のような存在になれる人物の台頭は、2019年にはあるのだろうか? プレー以外の部分でスッキリしないことが多いボクシング界には、“生みの親”ちばてつや先生が番組で発していた次のコメントを届けたい。

「人間の生きざまは、長く生きることじゃない。どう生きるか」

(文=オグマナオト)

最終更新:2018/12/19 18:00
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