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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 上沼恵美子はやっぱり面白い?
テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

“西の女帝”上沼恵美子の出演番組を片っ端から見てみたら、やっぱり面白かった件

あかんたれ』(テイチクレコード)

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(12月9日~15日)見たテレビの気になる発言をピックアップします。

 今年の『M-1グランプリ』の暴言動画をめぐる騒動。9日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、松本人志がこの件に言及していた。

「彼らは何よりも勉強不足ですよ。上沼さんという人がどれだけの人か、ホントにわかっていない。だから、勉強不足だし、勉強が不足しているということすら勉強できていないと思いますよ。やっぱ、あの人のやってきた功績考えたらすごいし。吉本ではない人で、女性目線で、ボクより先輩で当然尊敬できる人であのポジション座れる女性は、あの人しかいないので」

 上沼の審査員としての姿勢を批判したとろサーモン・久保田とスーパーマラドーナ・武智を、「勉強不足」だと断ずる松本。なるほど確かに、『M-1』の中でも上沼は、叱る人、えこひいきする人、『えみちゃんねる』の人みたいに扱われていて、芸人としての「功績」がわかりにくい感じもある。「功績」を問われる必要がなくなったポジションの人、みたいなところに追いやられているようでもある。

 かく言う僕も、漫才をしていた海原千里時代の上沼を知るわけではない。そもそも、現在放送されている上沼がMCを務める番組を、あまり見たこともない。関西に住んでるのに。

 ということで、上沼が出ている番組を、片っ端から見てみることにした。

■番組の公式レシピ本を「買わなくて結構」と言える境地

 その1。10~14日放送の『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(テレビ朝日系)。番組名の通り、料理を作りながらゲストや料理の先生とのさまざまなおしゃべりが繰り広げられたわけだけれど、中でも屈指は10日放送回での次の発言だろう。

「分量は、みなさんレシピが出ておりますので、おしゃべりクッキングの本が出ておりますので、ぜひともお買い求めくださいまし。……まぁ、みなさんね、物入りですもんね、12月。『そんな料理の本にお金なんか使うてられへんわい!』って、いまテレビの前で叫ばれたと思います。買わなくて結構です。テレビ見てたらいいわけですから」

『おしゃべりクッキング』は1995年のスタートから20年以上の歴史を持つ番組らしい。番組ホームページによると、紹介されたレシピは4,600を超えているとか。

 そんな番組の中心でおしゃべりを続けてきたMCがたどり着いたのが、料理番組の必携品であるレシピ本を、「買わなくて結構」と言ってしまえる境地である。番組の中でもテロップやナレーションで「月刊テキスト ただ今発売中!」とか宣伝されているのに。レシピ本どころか、自身がプロデュースする鍋・フライパンの宣伝をする人もいたりするのに。

 もちろん、「買わなくて結構」なんて冗談なわけだけれど、テレビの前にいる人たちの“庶民感覚”に寄り添う姿勢を突き詰めると、そしてその姿勢を何十年も積み重ねていると、冗談であろうとここまで言えるわけである。料理番組の仕組みの解体である。すごい。

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