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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 眞子さま破談のXデーは来年2月24日?
週刊誌スクープ大賞

眞子さま・小室圭さん“破談”のXデーは来年2月24日か? 美智子皇后の「根深い不快感」

 ところで書店が激減しているが、生き残りをかけた新しい試みも始まっている。朝日新聞(11月11日付)によると、1990年代の終わりに2万3000店ほどあった書店は、2018年には1万2026店にまで減少したが、実数はもっと少ないといわれるそうだ。

「東京・六本木の青山ブックセンターの跡地で11日、入場料1500円を支払う書店『文喫(ぶんきつ)』が開店した。出版不況のなか、本の販売以外の新たなビジネスモデルを探ろうと入場料制を導入。付加価値のある空間を目指すという。
店を手がける出版取次大手の日本出版販売(日販)によると、国内初の試みで、料金は美術展や映画と同じ価格帯を意識した。書店としては中規模の約460平方メートルの売り場に約3万冊が並ぶが、マイナーな本が品ぞろえの中心なのが特徴。(中略)約90席を備える店内の喫茶室では、ひきたてのコーヒーと煎茶が飲み放題。パソコンを持ち込める電源つきの作業机、靴を脱いで本を読める小上がりなどもある」(朝日)

 中国では「シェア書店」というのがいくつもできているそうだ。書店と図書館のコラボで、読者は書店で図書カードを提示して本を借りることができる。

 その本を図書館が引き取るのである。これによって図書館の蔵書が豊かになり、書店は販売促進ができ、読者は無料で新しい本が読める。

 もちろん借りられる冊数には制限があるが、書店にはカフェが併設され、その売り上げも期待できる。日本とは事情が違うかもしれないが、面白い試みである。

 今週の第1位はこの記事。今年の8月、大阪報道部で森友学園問題で数々のスクープを放った相澤冬樹記者がNHKを離れた。

 その相澤氏が、NHKを辞めた理由を書いている。彼は、森友学園に国有地が不当に安く売却されたという情報を追い、名誉会長に安倍昭恵夫人が就任していたという原稿を書くが、デスクの判断でこの部分が削られてしまう。

 8億円の値引きも、放送は関西のみ。相澤は、「NHKの森友報道は忖度で始まった」と書く。

 さらに彼は、売却交渉の過程で、近畿財務局側が、学園にいくらまで出せるか聞きだしていたというスクープをものにするが、なかなか放送OKが出ない。

 最後は、「大阪地検特捜部もこの情報を把握して捜査している」と付け足して、ようやく、夜の『ニュース7』で報じられた。

 この報道に、NHKの報道部門を束ねる小池英夫報道局長は激怒し、大阪放送局の相澤氏の上司、A報道部長に電話をしてきて、「私は聞いていない。なぜ出したんだ」と電話口で吠えたそうだ。

 そして、「将来はないと思え」と、A部長を通じて相澤氏に通告したというのである。
安倍首相は、「森友学園問題に、もし私や妻が関係していたら、総理も議員も辞める」と発言したのが去年の2月17日。

 今年3月、朝日新聞が「財務省が公文書書き換え」というスクープを放つ。新しいネタを追っていた相澤は、昨年2月に、森友学園側に、「トラック何千台もゴミを搬出したことにして欲しい」と電話をかけていたことを掴む。

 これを夜の『クローズアップ現代+』でやろうとするが紆余曲折があり、『クロ現』ではやれずに、『ニュース7』で最後に短く、『ウオッチ9』では分厚く報じられたという。

 そして5月14日、A部長から「次の異動で考査部へ異動」が告げられ、辞める決心を固める。

 相澤氏は、文書改ざんに関わり、3月7日に自ら命を絶った近畿財務局の上席国有財産管理官・Bさんのことがずっと頭に残っているという。

「森友事件は森友学園の問題ではない。国と大阪府の事件だ。国の最高責任者は安倍首相、大阪府の最高責任者は松井一郎府知事。二人は説明責任を果たしたと言えるだろうか。(中略)私がNHKを辞めた最大の目的は、この残された謎を全て解明することだ」

 彼は今、大坂日日新聞に籍を置いている。これからの取材に期待したい。

 先日、ノンフィクション作家の後藤正治氏が『拗ね者たらん 本田靖春 人と作品』(講談社)を上梓した。

 本田靖春は、ノンフィクション作家として優れた仕事をしただけではなく、周囲の編集者たちから、これほど愛された人はいない。

 本田の著作を丁寧に読み込み、彼と親交のあった編集者たちに取材し、ノンフィクションの巨星の作品と人となりを描いている。

 私も編集者の一人として、本田との思い出を語っている。これを読むと、ノンフィクションとは何か、書く人間は、どういう視点を持たなければいけないのか、よくわかる。
本田は、あまりジャーナリズムについて真っ向から語ることは、そう多くはなかったが、『体験的新聞紙学』の中にこんな一節がある。

「記者における『言論の自由』は、いい立てるものではない。日常の中で、つねに、反覆して、自分の生身に問わなければならないものだ」

 生身に点が打ってある。この言葉を相澤氏に捧げたい。
(文=元木昌彦)

最終更新:2018/12/17 21:00
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