売り上げは圧倒的! 「ジャンプ」の10倍近くを売り上げる「LINEマンガ」は、なぜ読まれるのか
#マンガ #ジャンプ #LINE
マンガアプリ市場は「LINEマンガ」が圧倒的。Mobile Indexが公表した「2018年マンガアプリ総決算レポート」で、その実態が明らかになった。
レポートによれば「LINEマンガ」は、売上高218億円を記録。2位の「ピッコマ」は、売上高57億円。3位になった集英社の「少年ジャンプ+」は売上高24億円だったと推定している。
このほか、マンガアプリでは先行組だった「マンガボックス」は、10.8億円。小学館の「マンガワン」は10.1億円。講談社の「マガジンポケット」は7.1億円となっている。シェア率では「LINEマンガ」が57.4%になっており、売り上げもシェア率も圧倒的になっている。
「LINEマンガ」が、独走している背景として指摘されるのは、公開されている作品数の多さである。この原稿を書くにあたって、アプリを立ち上げてみると「今週の新連載」として96作品が公開されている。たまたまのぞいてこの点数、いったい、どれだけの資本を投入しているのか、ただ驚くばかりの作品数である。
「アプリオリジナルの作品に加えて、他社の人気作品も多数掲載されています。それも、3巻くらいまでは無料が当たり前です。ここまでできるのは、アプリをメインにして、広告費やユーザーの課金で収益を上げるビジネスモデルを確立しているから。連載の後、単行本で利益を生み出すとか、メディアミックスなどに色気を出さず、どれだけアプリのみで収益を上げるかしか考えていないのが最大の強みでしょう」(編集者)
これまで、マンガというものは、同人誌を除けば出版社から発信されるのが、当たり前。従来のビジネスモデルは、単行本で稼ぐ。あるいは、アニメ化や商品化などのメディアミックスで稼ぐというものだった。そうした、旧来型の常識がないところにこそ、圧倒的な売り上げの理由があるようだ。
ただ、あくまでユーザーに「消費」させるスタイルの作品の供給。そのシステムの中で、長く読まれる作品。あるいは、本当に魅力的な作品が出てくるかは、まだわからない。
(文=是枝了以)
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