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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『水ダウ』独裁者クロちゃんが動く

『水曜日のダウンタウン』の「モンスターハウス」に風雲急! “独裁者”クロちゃんが不気味に動き出す

■結局普通にモテているのでは?

 ここまで見て、クロちゃんの不誠実さに目が行きがちだが、まず何よりクロちゃんが普通に二股を成立させ、三角関係のど真ん中、いわゆるモテのポジションに居座っているのに驚く。

 女性との一対一のやりとりもオンエアされてしまう特殊な環境でなかったら、このモテ期もまだ続いているわけだからすごい。

 女の子のグラスをこっそり舐めるクロちゃんのお家芸的な非モテの「ゲス」と、女の子の気持ちを弄び、嘘の言い訳で傷つけるヤリチン的な「ゲス」はまるで違うはずだが、この日のクロちゃんは基本後者だった。

 だから、クロちゃん「ごとき」に「積み上げてきたものが……」と真剣に悲しむ莉音を見ていると、確かに修羅場ではあるのだが、それはそれとして、悲しまれるほどモテている現状は、今までのクロちゃん的には、ある種幸せなのでは? と思えてしまう。

 だって、二股さえしなければ、少なくともこのままどちらかとは付き合えたかもしれないのだ。

 これは彼女を作るのが念願だったクロちゃん(マネジャーとの会話で言っている)からしたら大金星のはずだ。

 なのに「好き」の大安売りで“二兎を追う者は~”状態へと落下。

 すぐ相手に好きだと伝えることで見返りに自分を愛してもらいたいという弱さが根底にあると思われるが、いつか「ゲス」の座から引退し、商売抜きで動けるようになったとき、クロちゃんに今は語れない気持ちを語ってほしい。

 

■さりげなくダウンタウン今田の共演に触れる余裕も

 しかし疑問なのは、クロちゃんが2人の女性にそれぞれ「好きだ」と言いまくっていたのはいいとして(よくはないが)、それがカメラ前であること、オンエアされるであろうことをどう踏まえていたかということである。

 普通ならオンエア鑑賞冒頭から、もっとおどおどしそうなものだが、このときのクロちゃんは他のメンバーと同じように、自分たちが映るたびにキャッキャ盛り上がり、なんならその日の『水曜日の~』のスタジオゲストに「今田さんが出てない?」と、お笑い好きなら気になるダウンタウンと今田耕司の共演に食いついてみせたりと、ある種の余裕すら感じさせた。

 つまり、まったくと言っていいほど後ろめたさや、二股がバレるという不安な顔を見せてはいなかったのだ。

 

■松本のコメントを観ているハウス住人も見たかった

 この疑問に対し、スタジオの松本は「うまく編集してもらえてると(クロちゃんは)思ってたのでは?」との見方を提示していたが、確かにそういう「辻褄」がないとクロちゃんの心理は説明できない。「ゲスだから」で片付けるのは少し無理があるのだ。

 松本は「気持ち悪い」だけで片付けられない、このコーナーが成立するための核心部分に常に敏感だ。

 第1週目の鑑賞直後も「お互いが口説かれてるっていうのは、オンエア見ないようにできてるの?」と、いの一番に構成のキモに触れていた。

 その際も、オンエアを全員で見る予定だと聞くや否や「そこをクロちゃんが、どうさばくかやな」と、今回(第5週目)の筋書きにまで言及している。

 今回のオンエアでは、第1週目のごく一部を鑑賞した部分しか放送されていないが、当然このVTR明けた後の松本のコメントも全員で鑑賞していたはずである。

 だとしたら、ハウス内は輪をかけて重い空気になったと思うので、そのときの映像も見てみたかった。

 

■権力を手に入れた悪魔

 そして数日後。なあなあにしようとするクロちゃんに対し、莉音の怒りは収まらない。クロちゃんが帰ってくるまでは楽しそうだったのに、クロちゃんが帰宅後、一気にハウスの空気が悪くなる。もはやこれ以上共同生活は無理なのでは? と思われた直後、絶妙なタイミングで「使者」が現れる。

 それはコーナー開始時、クロちゃんを目隠しして連れてきたのと同じような黒服の男(よく見たら別人だが)。

 彼が提示してきたのは「これからこの家を出て行く人を1名決めて頂きます。」と書かれたメモ。

 それは、くじ引きをして「◯(当たり)」を引いた人間1人に、その人選の決定権が与えられるというもので、もちろん本家『テラスハウス』にはない展開。

「俺、やめないからね!」

 追い出される理由に関しては身に覚えのありまくるクロちゃんは、指名される前から空気をビンビンに察知し、声を荒らげる。

 生き残るためには自分が指名する側になるしかないのだが、なんとここで見事に「◯」の書いた紙を引き当てる、まさにモンスターなクロちゃん。

 先ほどの醜態など微塵もなかったかのように、ニヤリと微笑むクロちゃん。言葉を失うメンバー。

 やらせかどうかなんて、どうでもいい。最悪なのにどこか気持ち良さを感じてしまう見事な展開。

「俺のことを落とそうとしてたじゃん? 困ったなあ」

「1人ずつ、面談しよっか? どんだけの思いがあって、ここで生活してるのか?」

 いろいろありつつも楽しかった楽園に、独裁制が敷かれる。

「じゃあ、わかりました。わたくし下の部屋にいるから、一人ずつ来てもらおうかな」

「みんなが納得する方法を考えよう」

「下で待ってまーす」

 敬語が余計に恐怖を倍増させる。

 最初にくるように言われたのは、山崎大雅というイケメン大学生。

 莉音とキスをしたというクロちゃんの嘘を、今回皆の前でバラした格好になった彼が「消される」可能性は高い。

 今夜放送となる第5週目回の予告動画でクロちゃんは語る。

「俺があっての企画だから。『モンスターハウス』っていうくらいだから」

 どんな感情で言っているのわからない、謎の「自負」。

 しかも女性陣が全員泣いている映像も。

 今夜、独裁者がどんな「醜さ」を見せてくれるのか楽しみだ。

(文=柿田太郎)

最終更新:2018/12/12 16:00
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