シュールすぎ! 「無口なゴリラ似の男子高校生」がジワジワ来る『ゴリラーマン』
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
ゴリラっぽい面構えの人っていますよね。ガレッジセールのゴリとかFUJIWARA原西とか。そういえば、女優や女性ミュージシャンでもゴリラっぽいと評判の人がいたような……具体的な名前を挙げると問題になりそうなのでやめておきますが、とにかくゴリラっぽい顔の人がいるというのは紛れもない事実であります。
今回ご紹介する『ゴリラーマン』は、まさしくド直球にゴリラっぽい男子高校生が出てくるマンガ。それ以上でもそれ以下でもない、だけどやたらと面白い。なぜ、主人公がゴリラっぽいだけで、こんなに面白くなるのか? 今回は『ゴリラーマン』の不思議な魅力について迫ってみたいと思います。
本書は「週刊ヤングマガジン」(講談社)誌上で1988年から連載され、作者はハロルド作石先生。ほかに『BECK』とか『ストッパー毒島』などの代表作があります。
主人公・池戸定治は、白武高校に来た転校生。顔がゴリラっぽく、無口というところ以外は謎に包まれており、白武高校の不良グループ・藤本軍団と行動を共にするようになります。そのルックスから、「ゴリラーマン」と呼ばれます。
マンガは『BE-BOP-HIGHSCHOOL』の流れをくむような、いかにもヤンマガらしい不良高校生のドタバタ日常が展開されるのですが、そこに謎の男「ゴリラーマン」の存在があるだけで、とてつもなくシュールで個性的なマンガに仕上がっています。
■一言もしゃべらない主人公
ゴリラーマンは主人公でありながら、まったくしゃべりません。主人公やヒロインなどの中心人物がまったくしゃべらない作品は、最近だと『ハイスコアガール』の大野晶ちゃんとか、『となりの関くん』の関くんなどが挙げられますが、ゴリラーマンも負けず劣らず、まったくしゃべりません。無口なイメージのあるゴルゴ13ですら、ゴリラーマンに比べたら100倍ぐらいしゃべってます。ネタバレになるのでここでは詳細は書きませんが、ゴリラーマンが作中でたった1回だけしゃべるシーンがあります。それ以外は本当にしゃべりません。
そんなしゃべらないゴリラ、もといゴリラーマンが主人公であるがゆえに、まるでパントマイムを見ているような空気感があります。悲しい時も、困っている時も、怒っている時も、すべてゴリラっぽい顔芸と身ぶりで表現するだけ。なんともシュールなことになっているのです。
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