プロ野球・巨人の“FA大量補強”は、まさに毒饅頭! V奪回への乱獲行為と引き替えに失ったもの
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3度目の原辰徳政権誕生となったプロ野球・巨人。来年優勝を逃せば、チーム史上ワーストの5年連続V逸となるが、球界の盟主が選んだ方法はシンプルだった。今期MVPの丸佳浩(広島)をはじめ、炭谷銀仁朗(西武)、岩隈久志(マリナーズ)、中島宏之(オリックス)ら、次々と実績のある選手を獲得し、メジャー今季メジャー20発のビヤヌエバ(パドレス)の入団も決定。レギュラーが半分近く入れ替わりそうな勢いだ。この補強について、週刊誌の野球担当記者が語る。
「結局3年間で1度も優勝できなかった高橋由伸監督ですが、今季、岡本和真が史上最年少で3割30本100打点を達成しました。その岡本を中心に、坂本勇人や長野久義は確実に計算できますし、ゲレーロも来年は契約最終年なのでマジメにやるでしょう。坂本、丸、岡本、ゲレーロ、ビヤヌエバ、陽岱鋼、長野らが並ぶスタメンは、史上最強と言っても過言ではありません」(野球担当記者)
結果の出ない集団が、底上げを図るべく他所から人材を探すのは、プロ野球チームに限らない話だ。ただ、あまりに目先の結果を追うと、いずれ問題が起きるのもこれまた常だ。フリーのスポーツライターが語る。
「いくらプロ野球が実力社会とはいえ、ドラフトで指名され、ようやくチャンスが掴めるかと思えば、他チームのタイトルホルダーや高額の助っ人外国人がやって来るのでは、若手にやる気を出せといっても無理があります。巨人ではここ数年、若手二軍選手の間で不祥事が相次ぎましたが、モチベーションの低下は重大な要因だと思われます。2000年代初めまでは、巨人戦が毎日のようにテレビ中継されていましたし、親が『プロ野球=巨人』と思っていた世代なので、巨人ブランドは健在でした。当時は年俸が一番高いのも巨人でした。けれども今の中高生は、地上波で巨人戦をほとんど見たことがありませんし、年俸や設備などで巨人に勝るチームがいくつも出てきました。かつては『ぜひ巨人に』と言われて断る子どもなどいませんでしたが、今の子はシビアです。おだてられて巨人に入って、何年間で捨てられてしまうなら、出場機会のあるチームを選びます」
さらにもう1つ、FAにはチームが弱くなる構造的な問題があるという。野球関係者が語る。
「公言する者はいませんが、巨人はFAで選手を獲る際、口説き文句として引退後のコーチ就任を条件にしています。2018年で言えば、投手コーチの豊田清、2軍コーチの片岡治大や金城龍彦、3軍監督の江藤智などがそれでしたし、来季は新たに杉内俊哉、村田修一、相川亮二と、3人の“元FA組”のコーチが誕生します。本来ならば自力で選手を育てなくてはいけないのに、FAで他チームの有力選手ばかり獲り、挙句の果てにはその選手ばかりがコーチになるのですから、若手が育つはずがありません。そのうち本当に『巨人だけはイヤだ』という高校球児が現れますよ」(野球関係者)
FAという“毒饅頭”を食べた原・巨人は、戦力と引き替えに大きなものを失ってしまうのかもしれない。
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