北朝鮮名物アナウンサー“ピンク・レディ”引退報道はガセ? 正月特番で復帰か
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北朝鮮の朝鮮中央テレビで看板アナウンサーとして君臨してきた李春姫(リ・チュニ)アナウンサー(75)の引退報道をめぐり、正月特番での復帰説が出ている。欧米メディアは「金正恩党委員長が世代交代を望んでいる」と報じたが、日韓の専門家は「格が高く、復帰説以前に引退していないのではないか」と指摘。引退につながる特異な兆候はなく、例年通り、年明け早々の番組に出演し、ピンクのチマチョゴリ姿で復帰する見通しだという。
「敬愛する最高領導者、金正恩同志は……」と高らかに原稿を読み上げる李アナ。直近では12月1日に、金委員長が東海地区水産作業所を現地指導した際の様子を報じるニュース番組に登場した。
一方、欧米メディアはちょうどそのころから、李アナがいつも着ているピンクのチマチョゴリにちなんで命名した「“ピンク・レディ”引退」と相次いで報道、「正恩氏の意向で若い女子アナに交代する」など、もっともらしく伝えた。
ある日本の研究者は「李アナは『人民放送員』という最上級の肩書を持っており、定年はない。今年も首脳会談といった金委員長の重要な動静報道に起用され続けており、引退するという兆候のかけらもない」と、引退報道が“フェイクニュース”だと断言する。続けて「あの仰々しいアナウンスは名人芸。もともと彼女は役者ですから……」(同)と、驚きの経歴を明かす。
韓国情報筋によると、李アナは江原道(カンウォンド)の日本海沿岸にある小さな町で生まれた。両親の階級が良かったことから、平壌演劇映画大学俳優学科を卒業し、国立演劇団や人民軍の劇団で女優として活動した。
「脱北者情報によると、美人だが背が低いため、舞台女優向きではないとされ、1971年に放送委員会に入ったそうだ」(韓国筋)
この情報筋によると、李アナは江原道の方言がまったくない。さらに「ニュース放送が韓国メディアに引用されることを意識しているようで、北朝鮮特有の言葉やなまりが目立たない」(同)という。
役者時代に鍛えた感情と気迫が込もったアナウンスは、金日成主席、そして、金正日総書記にも大いに気に入られた。平壌市中心部の高級マンションに自宅があるといい、現在は正恩氏の動静報道以外では仕事をしない、特別待遇となっている。
大みそかの朝鮮中央テレビは午後11時台後半に平壌駅前の時計を映し出し、年が明けると、李アナが新年を迎えたことを告げる流れが定番となっている。前出の日本の研究者は「年内にあと1回ぐらい、金委員長の動静報道で出るか、年越し番組でまたお目にかかることになるだろう」と、病気で倒れない限りは、生涯現役が続く可能性が高いとみている。
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